パリス・ヒルトン × YouTube

 今日、メタキャストさん主催のテレビとネットの第6回近未来カンファレンスに参加してきました。このブログでも何度か紹介しているTVブログについてメタキャストの井上社長さん直々の説明だったり、神田敏晶さんや、橋本大也さん麻倉怜士さんの対談がありました。

いずれも、ネットと映像分野における未踏領域の先頭を走っている方達だと思います。こういう試行錯誤がすばらしいですよね。

で、その神田さんのブログにおもしろい記事があったので、引用します。セレブの代表格として名高いあのヒルトン姉妹パリス・ヒルトンが最近歌手デビューしたのですが、そのプロモーションとして、YouTubeを利用したこんな画期的なことがあったそうです。

Paris Hilton on YouTube

by KandaNewsNetwork『On Vox: 「パリス・ヒルトン」はCGMマーケティングの実践者』


2006年08月23日、渋谷のHMVで、デビューアルバムのプロモーションのために来日したパリス・ヒルトン嬢登場前の説明員は、ちょっと変わったコメントを残した。「(パリス・ヒルトン)ご本人の希望により、報道関係者のカメラは規制させていただき、ファンの携帯や、デジカメによる撮影は規制はありません」という異例のフォトセッションが行われた。30分遅刻し、登場したパリス・ヒルトンは、自らデジカメのビデオモードでステージ上からファンを撮影し「"ユーチューブ"に掲載するから見てね!」といきなり発言。普段、撮影や録音などが禁じられているファン達は、デジカメを持ってくればよかったと言いながら、携帯を片手にパリス嬢の撮影に夢中。テレビのニュースは、報道陣は指定の場所から撮影されたキレイな映像のみだが、ファンの撮影したブログ映像は、苦労しながらも実際にその現場がどんな状況であったのが、はるかにリアルに映し出されていた。


さらに、「パリス・ヒルトン・チャンネル(http://www.youtube.com/parishilton )」なるチャンネルが世界で一番利用されているビデオ投稿サイト、「米ユーチューブ社(http://www.youtube.com/)」に8月22日よりアップされた。これは新アルバム「PARIS」を発売する米ワーナー・ミュージック社が、プロモーション目的で、ユーチューブにチャンネル枠を購入したのである。ビデオ投稿サイトのユーチューブは利用者は増えるが、どこで収益を得るのか?と常に疑問が投げかけられていた。そこで登場した企画が「ブランドチャンネル」だ。ユーチューブのシステムを使って、「パリスヒルトン」だけが登場する専門ビデオチャンネルが登場した。オンデマンドでビデオが見られるだけではなく、ビデオを再生できるコードをファンが自由に自分のブログなどに引用できるところがポイントだ。つまり、ファンがそのまま媒体としてパリスのビデオプロモーションを伝播していくのだ。


著作権の塊みたいな超有名人が積極的にCGMを活用するというのは画期的ですよね。パリス・ヒルトン程有名になると、ほっておいてもマスメディアは食らいついてくれるので、むしろ個人メディアによるBuzzマーケティング(口コミ)を狙っているんでしょう。
逆に、ネットのマーケティング力がパリス・ヒルトンによって宣伝されている、という見方もできます。


しかし、こういう記事を目にして思うのは、本当にアメリカ、特にシリコンバレーは早いということです。日本の方がブロードバンドは遥かに進んでいたのにサービス面では大した進歩はありませんでした。一方、一旦アメリカでもブロードバンドが普及すると、瞬く間にブロードバンドならではのサービスが数多く試行錯誤され、その結果YouTubeみたいな(ほぼ)成功モデルが生まれてきました。そして、多少の問題を抱えた(ほぼ)成功モデルをもっと洗練するために、あらゆる試行錯誤がさらに繰り返されています。


日本はブロードバンド大国として世界に先駆けていた間何をやっていたんでしょう? 韓国はネットゲームやSNSを大きく発展させました。日本で流行ったのは何でしょう? アダルト以外にないんでしょうか? ブロードバンドが普及しだした際に話題になったのはヤフオクでした。 ちょっと悲しくなります。

上記テレビブログの様に、日本でも、もっと試行錯誤を増やしていきたいと思います。がんばりましょう。