GoogleとYahooの新広告モデルの違い
今日はGoogleとYahooの新広告サービスがあまりに違うので、それを取り上げます。
まず、Googleはラジオ広告です。
by CNET Japan『グーグル、XM Satellite Radioと提携--ネット以外でもAdWords広告を提供へ』
Googleは2006年1月、ラジオ広告企業dMarc Broadcastingを1億200万ドルで買収し、先週からは、デトロイトの地上波ラジオ放送でGoogleが提供する広告が流れ始めた。
米国内における特許はまだ取得されていないが、dMarcのプラットフォームを利用すると、実際の販売やスケジュールの作成、トラッキングなどといった、ラジオ広告につきものの複雑な作業を自動化もしくは簡素化することができる。また、広告そのものを、広告主がラジオ局もしくはネットワークに直接送信できるようになっているという。
そして、Yahooはオークションのアフィリエイト広告です。
by CNET Japan『ヤフーとバリューコマース、「Yahoo!オークションアフィリエイトサービス」提供開始』
ヤフーとバリューコマースは8月2日、「Yahoo!オークションアフィリエイトサービス」の提供を開始すると発表した。
Yahoo!オークションアフィリエイトサービスは、一般のホームページやブログなどウェブサイトに広告バナーを掲載し、入札者がその広告バナーをクリックしてYahoo!オークションに訪れ商品を落札すると、経由した広告バナー掲載者に成果報酬が支払われるシステムだ。
まず、何がおもしろいかというと、Googleの行動が従来と違う点です。
GoogleのAdwordsの売りは『コンテンツ内容に広告がマッチしていること』『検索時のトラヒックは通常のトラヒックより欲求が強い事』をベースにしています。ところが、このラジオ広告はそのどちらも満たしていないのです。
Adwordsには『入札と出稿の自動化』というもう一つのすばらしいメリットがあるので、これに特化したものだと思われます。
つまり、Adwordsよりは売りが弱い様に思えるのですが、果たしてGoogleのことですから、何かサプライズを準備しているのかもしれません。期待しましょう。
そして、Yahooのおもしろい点は、アフィリエイトスポンサー(広告主)が個人である点です。落札があった場合にアフィリエイト料金を支払うのは、Yahooでもバリューコマースでもなく、出品者なのです。ここがおもしろい。
アフィリエイトによって少なからずオークション市場が活発化するわけですから、出品者も入札者もメリットはもちろんあるわけですが、何よりYahooとバリューコマースが儲かるわけです。アフィリエイト料金がもらえるばかりか、市場が活発化することで、オークション参加料や落札料の大きくなるためです。英語で言う所の、『The more アフィリエイトが活発化する、The more アフィリエイトト以外にも儲かる』という加速度モデルなわけです。
両社の試みとも非常にスマートだと思われますが、さて市場の反応や如何に?
□追記
7月30日のエントリ『情報はどこまでオープンにすべきか』で取り上げた梅田さんが、9月1日に日本で出版記念講演&ブログ読者オフ会をされるそうです。
うれしいですよねー。ありがたいことです。
しかも、なんとビデオ撮影してYouTubeにアップするそうです!!
いや〜、このエントリで『講演をオープンにして欲しい』なんて言っていたそばからなので、とてもうれしいです。
ひょっとしたら、梅田さんとしては『だからそれを今準備しているんだから、ちょっと待ってなさいって!』という気分だったのかもしれません。
抽選だそうですので、皆さんがしがし応募して感謝の意を出しましょう!!
by My Life Between Silicon Valley and Japan『9/1(金)東京、対談イベント「「シリコンバレーのビジネス風土」と「オープンソースの思想」」』
対談イベント:「「シリコンバレーのビジネス風土」と「オープンソースの思想」」
* 2006年9月1日(金)
* 時間:19:00-20:00(その後、懇親会あり)
* 場所:東京都内(赤坂周辺)
* 会費:懇親会費用(実費)として1,000円〜2,000円程度(当日受付にて徴収させていただきます。領収書の発行は致しません。)このイベントに、本欄の読者の方を抽選で50名、ご招待します(2月の「ウェブ進化論」刊行記念イベントのときは、会場の制約から「抽選で6名」でしたが今度はぐっと枠を広げました)。参加ご希望の方は、8月10日までに下記サイトからお申込みください。
↓梅田さんの新刊本はこちら
シリコンバレー精神 -グーグルを生むビジネス風土 (ちくま文庫)
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/08/10
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