Appleの戦略は非現代的だが・・

噂通りAppleiPhoneに世界中が驚いていますね。どのニュースサイトを見てもAppleAppleAppleです。


Appleは非現代的?

さて、このiPhoneを見て改めて感じたのが、『垂直統合の価値』です。
一般的に、垂直統合は独占的なので水平分業型の方が良いイメージで語られることが多いと思います。垂直統合の業界は悪で、水平分業のインターネットの世界は正しい、みたいな感じで。

ですが、それぞれに良い面と悪い面が必ずあって、今回もApple垂直統合の良さをこれでもかと見せつけた様に感じます。

AppleのビジネスはMaciPodiPhoneもクローズドです。プロプライエタリで、特許で守られていて、独自仕様です。現代社会で良いとされているオープン、スタンダード、水平分業とはかけ離れています。ハードとソフトとプラットフォームとサービスを自社1社で提供している完全な垂直統合です。それなのにすばらしい。それなのにユーザに好かれる。他社も賞賛せざるを得ない。どうしてでしょうか?


垂直統合の効果をユーザに

それは、その統合による効果をユーザのために使っているからではないでしょうか。垂直統合は、市場を独占して競争力を高く保てるのが特徴なので、経営者には好まれますが、ユーザには好まれないものです。けれど、Apple垂直統合による効果(例えばハードとソフトの両方を内製しているからこそ可能な絶妙なチューニングや統合されたユーザインターフェース等)をユーザのために役立てています。決して経営的に独占しやすいから、といった理由で戦略を立てているのではないと思います。結果的にはそうなっていますが、それがそもそもの狙いではない。ユーザのためを思ってやっていることが自社のためにもなっている、そんな素敵なスパイラルが回っている様です。

垂直統合が悪で水平分業が正義なのではない。それぞれに良さがあってその力をどう役立てるかが肝心なのだと改めて気付かされました。