ターゲット

ビジネスを考えるにあたってターゲティングはもちろん必要だが、それは自分の志向(嗜好)にあっていなければならない。
なぜなら、自分のよく知らない、好きでもない他人相手に共感を得たり、影響力を与えるのは難しいからだ。
もちろん調査研究すればある程度ターゲットの分析は可能だが、その程度ではユーザの気持ちを本当に掴むことはできない。好きでもない人相手にいい感情で接することはできないのと一緒だ。会社の方針だから、こういう機能を持った製品だから、という理由でターゲットを決めてもビジネスがうまくいくはずがない。なぜなら、ビジネスとは相手の共感を得て、認めてもらい、喜んでお金を払いたいと思ってもらうだけの価値を提供することだから。好きでもない相手の感情をそこまで動かすことなんてできない。多少できたとしてもそれではだめだ。なぜなら、常に競争相手が存在するものだから。もっとターゲットの事を愛し、理解している競争相手には絶対に及ばない。

やはり、成功するには自分の志向に合い、奉仕したいと考えるターゲットの属性や感情を明確にする必要がある。属性とは性別や年令・職業・年収・生活スタイル等のことだ。これは誰でも考える。肝心なのは感情だ。どんな感情に訴えかけたいのか?どんな気分にさせたいのか?をはっきりと意識していなければならない。

例えば、癒しグッズを売るケースを考えてみる。
単に『20代の働く未婚OLに売る』ではなく、『20代の働く未婚OLで、彼氏はいるが結婚と将来に不安を感じ始めている人が、仕事のストレスを平日に簡単に安く一人で気恥ずかしさなく発散するためのサービスを売る』としたらどうだろう。自ずと提供すべきサービス内容が見えてくるし、広告も明瞭かつ的を絞った内容になり費用対効果もよくなる。
そして、ここまで感情を理解するにはやはり自分の志向(嗜好)が重要だ。自分の性格に合っていたり、自分が好きな人達に対してでなければいいサービスなどできないのだ。なぜならターゲットの感情を深く理解できないから。これがターゲティングの原理・原則だ。