続・有料と無料

引き続き、有料と無料に関する考察。この違いは何だろう? 無料のサービスの方が有料のものより価値があるんだろうか? それとも価格の高さこそが価値の高さを表すんだろうか?

答えは継続性にあるんじゃないだろうか。
同じサービスならば安かったり無料の方が世の中にとってプラスだ。しかし、安く無料で提供することによってその企業の経営が悪化しつぶれてしまっては元も子もない。もうそのサービスを享受できなくなってしまうのでむしろ世の中にとってマイナスだ。
つまり、企業は存続・成長していく必要があり、その大前提が守られている分には安いに越したことはないが、あくまで前提ありきということだ。

収益を得なければ、必ず資産が目減りしていっていずれつぶれてしまうわけだから、お金を取ることは悪いことではない。只、お金を取りすぎれば、同じサービスをより安く提供する企業に負けてしまう。要は、価格設定は企業の成長と競合他社とのバランス問題によって決められる。

生産性が高まると、効率的にサービスを提供することができるので、どんどん値段は安くすることができる。優れた企業ほど、同じサービスを安く提供することができるようになる。
では、どんどん安くなって無料に近づいてもやっていけるようになったら、それが究極のサービスなんだろうか? 究極のサービスは無料でもやっていけるものなんだろうか?
ここで問題になるのは、本当に無料でやっていけるサービスなんてあるのか、という問題だ。例えば、フリーペーパービジネスは、無料だ。しかし、これは読者には無料で提供しているが、広告主からお金を取っているので、結局有料サービスである。
お金を取らなくてもなりたつ、つまりコスト0でやっていけるサービスなんて本当にあり得るんだろうか?

企業のビジネスとして考えると難しいが、個人に目を向ければそういったサービスはいくらでもある。例えば、友達に勉強を教えてあげること。恋人に感謝の気持ちを示すこと。これらは、無料(コスト0)だが間違いなく価値があるサービスだ。しかもこれらは継続性もある。だんだん友情や愛情が目減りしていくわけではない。こういったコスト0で提供できるサービスが究極のサービスだと思う。

しかし、これだけでは納得いかない点がある。それは、サービスの大きさだ。確かに無料で提供できるサービスはあるが、それらの効果は小さい。大勢の人に与えられるものではないし、無料でできるサービスには内容に限度がある。
一方、有料でコストをかけてやるサービスは何でもできる。IT技術を駆使したハイテクサービスも航空機を利用した海外旅行サービスもある。
それぞれにできることがあり、コストとパフォーマンスのバランスがあると思う。

無料や安いものは確かにすばらしいが、高価だからこそすばらしいサービスもある。同じ内容で継続性が満たされるならば安い方がいいが、有料だからこそ提供できるサービスもあるので、一概に安い高いだけで善し悪しは判断できない、というのが私なりの価格に対する結論だ。