イノベーションが起きたらどうする?

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今日は昨日のエントリ『インターネットデフレ?』の続きです。渡辺千賀さんとジンさんからコメントを頂き、また新しい悩みがでてしまったので、整理のために書きます。

ある企業がイノベーションを起こして、超画期的な製品を開発したとします。既存製品よりも遥かに低コストで高価値なものができる様になりました。他の企業はとても追いつけそうもありません。さて、この企業はこのイノベーション技術を投入すべきなんでしょうか?


投入する事で間違いなく購入者は増えるのですが、低コストで作れてしまうので、製品価格を下げないわけにもいきません。この技術を使えばどれくらい安くなるかを市場に知られてしまっているので、同じ利益幅を確保できる価格設定をするとイメージダウンになりそうです。
となると、数は出るけど利幅は低いということで、結局最終的な利益が大きくなるかむしろ小さくなってしまうのか読めないわけです。
果たしてこの企業はどうすべきなんでしょうか?

  • 案1. 現状に甘んじるために、しらばっくれてそのイノベーションを投入しない
  • 案2. イノベーション技術を投入して高付加価値製品を作るが、価格は下げない

(本当はまだまだ下げられる)

  • 案3. イノベーション技術を投入して高付加価値製品を作るが、価格はちょっとしか下げない

(一見安くした様に見えるが、本当はまだ余裕がある)

  • 案4. イノベーション技術を投入して高付加価値製品を作る。価格は製品あたりの利幅が従来と変わらない点まで下げる
  • 案5. イノベーション技術を投入して高付加価値製品を作る。価格はコストに見合った点まで下げる

(製品あたりの利幅は下がる)


等があると思います。

企業視点での利益確保という意味では、案1が良い様に思えますが、競合企業が追いついて先にやってきたら大変なことになります。
案2、3、4は市場からのブーイングにより、株価の下落や企業ブランドイメージダウンを招くかもしれません。
案5は人気は出そうですが、結局最終的な利益が下がってしまうかもしれません。


こんなケースではどうするべきなんでしょうか?


私の考えでは、1も2も3もあり得なくて、できれば4、競合が追いついてやってきそうだったら5、というのが普通だと思います。案5は難しいところで、結局企業の体力が弱くなってしまったら、消費者の不利益にもなるので、危険な気がします。
ただ、実際は2、3が多々行われている気がします。

皆さんはどうすべきだと思いますか?