ネットでお金は必要か?

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今日はkengoさんの『Going My Way』の『ネットで利用可能な新しい通貨「sMile」というOpen Currency制度』へのコメントとして書きます。

私も以前『インターネットビジネスが儲からない理由』という記事を書いたのですが、ネットの経済はどうあるべきか、という論が最近とても目立ってきている気がします。

梅田望夫さんも、文藝春秋8月号『グーグルを倒すのは'75世代だ』で、『ウェブとリアルは経済原理が違う』という様なことを言われています。(正確な表現ではないので、詳細は本誌をご覧ください。)

chanmさんの、『はてブついでに覚書。』でも『web性善説を信じる勇気。』等のウェブ経済に関する鋭い論があります。


kengoさんは、ウェブ通貨『sMile』を次の様に考えられています。


by 『Going My Way』『ネットで利用可能な新しい通貨「sMile」というOpen Currency制度』

  • 新しいネット初の通貨の単位 sMile(スマイル
  • sMileはネット上での活動で手に入れられる。

ネット上で何かを提供したり(サービスやソフト)、生産(テキスト、音楽、映像、アイディア)、その他の活動で、例えばテキスト(文章とかテキスト、ブログのエントリーとか)ならばそれを読んだりする人がいるわけでその人たちから、いいなと思ったらsMileを送ってもらうわけだ。こんなことをいうとはてなポイントとかはてなブックマークのブクマの数なんかと似てくるかもしれない。

  • 実は既にsMileは利用されている。

今話しているsMileというのは実はもうある。ただ、ほかの物と交換ができないだけだ。信頼残高という感じで実は積み上げられてる。ただそれがいくらかがぱっと出てこないだけだ。ブログならば、読者は検索とかでも来るけどFeedの購読(Subscribe)でブログを読んでいてなんとなくそのブログに対してのsMileの残高ができているはず。ただ数字で表しにくいだけ。人と人の間の信頼残高みたいなものかもしれない。

  • sMileはどうやってほかの通貨と交換するのか?

例えばPaypalでお金を送金する場合を考えてみると、相手の国によってドルにするとかユーロにします。それと同じで相手がネット上の人でそれを希望するなら、送金するのを100ドルでなく、100 sMileになるわけです。GoogleAdsenseとかアフィリエイトのの報酬が円とかドルでなく、sMileでもらうわけです。Amazonのアソシエイトの報酬をギフト券でもらうこともできますが、それと少し似ています。Amazonで買物することが多いのであればAmazonのギフト券でもらっても、日本円でもらうのとそんなにかわらないはず。そんな感じでsMileを手に入れることができたらどうでしょう?

ウェブでの価値取引(情報取引)に専用の通貨概念が必要なのではないか?、というとても興味深い論です。
確かに、トラヒック・コメント・ブログ等のウェブ上での行動や、信頼・尊敬等の目に見えないフィードバックを何らかの数値で表現できたら、新しい経済ができそうな気がします。そうなんですよねー、すごくよくわかります。こんなに上手く表現できませんでしたが、私もそんな気がしていました。

ただ、最近の私は、『フィードバックの期待すら必要ないんじゃないか』と思っています。無償の愛、じゃないですけど、リターンを期待しないオープン(ギブ)こそが、意味があるんじゃないかなぁと。等価でのギブ&テイクじゃなくて、自分が知ってることはギブ。できることはギブ。誰もがギブすることによって、新しい世界ができそうだな、という気がしています。

平たく言えば、『自分がもう知っていることできることは何でもやってあげた方がいい』ということで、『貧乏臭いことはしない』『太っ腹でいこう』という精神です。こうするとどんないいことがあるかっていうと、『自分がもう知っていることできることは外に出さないと、次に行けない(成長しない)』と思うからです。だから、ギブ(オープン、アウトプット)した人が結局何らかの形で得するんですよね。この原則はウェブでもリアルでも同じだと思うので、通貨は必要ないんじゃないかなぁ、という気がしています。もちろん、何か明らかにコストがかかるものをギブする際は対価を得てもいいと思いますが。

どうでしょうか。