頑張れ日本の家電メーカ!
今日も以前の『インターネットデフレ?』に続き、経済のお話です。
Tech-Onの『日本流イノベーションを阻むもの』という記事によると、日本の製造業界は、高度経済成長を代表する様に、売上高を拡大してきたわけですが、逆に利益率は下がっているということです。
1973年から1991年の20年弱を見ると、売上高が大体1000億円から3000億円と3倍に増えているのに対して、利益率は逆に9%から3%と1/3になっています。見事に反比例しているということがよくわかります。
これは、先のエントリで取り上げた様に、『コスト削減によって効率化が進んだから売り上げが落ちる』という流れとは正反対の、言ってみれば『コストをどんどんかけて付加価値を高めた結果売り上げだけは増えた』というモデルと言えます。
これって消費者にとってはどっちが幸せなんでしょうか?
コスト削減によって値段が下がるのはもちろんうれしいですし、値段は高くなっても高機能化されていくのもうれしいですよね。
もちろん、どちらか一方だけというわけではなくて、コスト削減も付加価値増も同時に行われているわけですが、マクロ的に見ると、日本の製造業は付加価値増に重きをおいてきたのではないか、という見方ができそうです。
これはこれで消費者の収入が右肩上がりの時期はいいんですが、収入が伸びなくなってくると、逆にコスト重視の企業の方が人気が出そうですよね。具体的に言えば、台湾の低コストメーカや、DELLの様な超効率化重視企業の方が重宝されそうです。
もちろんインフレによる通貨自体の価値増加もあるので簡単に言い切ることはできないんですが、シンプルに眺めるとこのグラフから見事に日本メーカと海外メーカの隆盛を読み取れる気がします。
95年以降に反比例が落ち着いてまた逆向きに頑張っている動きが読み取れるのが頼もしいですよね。ここ数十年、家電業界は車業界と並んで僕らの生活の豊かさを象徴する存在だったと思います。頑張れ日本の家電メーカです。