YouTubeの打ち手の秘密

 いやー、週明け早々びっくりです。YouTubeがワーナーと組んで、楽曲利用の許可を得たそうでそうです。
で、何よりびっくりなのが、アップロードされたビデオの中に著作物を利用しているものがないかチェックする仕組みを発明したとか。


・あのYouTubeがついに?!--ワーナーと提携、音楽を無料・合法配信へ
・Warner、YouTubeビデオの楽曲にライセンス認可


これだけだと、単にYouTubeの自由度が狭まるだけで、ユーザだけでなくYouTubeにとってもマイナスなんですが、賢いことに、動画に広告を挟んでその広告費を著作権者とシェアするそうです。


つまり、

広告費 > 著作権利用料

である限り、YouTubeにとってはプラスなわけですね。


これによってYouTube『提携しているワーナーさんのコンテンツは無断利用されていないかチェックして広告費を払う。提携していない人達のコンテンツは今まで通り内容チェックに積極関知しないし、もちろんお金も払わない。提携したかったらショバ代とチェックシステム代を払ってね』という態度が取れるのではないでしょうか。

しかも、著作権利用料は恐らくユーザからはとらないでしょう。
そんなことをしたら、今まで問題を抱えつつも正のスパイラルで回っていた利用者との関係が崩れてしまうからです。


これらをまとめると、要するに著作権者のコンテンツをユーザが勝手に利用する仕組みを確信犯的に提供し、その著作権侵害チェックをして著作権料を支払うふりをしながら、実は著作権者のコンテンツにCMをつけた利益から一部を払っているだけ』という見事な仕組みを狙っているのではないでしょうか。

いやぁ、あまりに見事ですね。
梅田さんが『「確信犯」的な態度を貫く「ユーチューブ」の加速感』で言っている様に、全て確信犯的に最初から企画していたならば、これはすごいといわざるをえない。世紀の大ペテンというか大革命というか。いやー見事です。


※ビジネスモデルの批判ではなく、ただ感心しています。