GoogleのYouTube買収は正しいか?

今日も「しあわせのくつ」を読んで頂いてありがとうございます。

GoogleYouTubeを買収するという噂が話題になっています。GoogleVideoだけでなくYahoo、AOL他、多数の動画共有サイトをぶっちぎる人気のYouTubeが買収されることの意味を考えてみます。

「グーグルがYouTube買収を検討」の噂--「確度はよくて40%」とTechCrunch - CNET Japan


"TechCrunchのMichael Arringtonが10月6日付けのブログに、「GoogleYouTubeを約16億ドルで買収するかもしれない」という噂に触れたメールを受け取った、と記している。"

買収するということは『自分でやってもそこまではいけない』『自分でやるより買った方が速い(かつコストを考えても結局利益がでる)』という判断をしたことになります。

YouTubeの様なCGMサイトの場合、いわゆる『ネットワーク外部性』(解説)が働きやすいので、投稿者と視聴者がますます増えていくという正のフィードバックが起こりやすく、2番手以降が逆転するのは困難になっていきます。これを見越した上で、『自分でやるより・・』と判断したと思われます。


で、ここで考えてみたいのですが、果たしてGoogleYouTubeを買収するのは世の中のためになるでしょうか?
買収というのは、お金があれば買ってもいいというわけではなくて、買収(統合)することによる何らかのシナジー(+αの付加価値)が必要です。そうしなければ、単にある冨が別の所有者の元に移っただけで、世の中の価値は変わらないからです。むしろうまく調和せずマイナスになることが多いので、これではダメです。

『お金があれば買って良い』、ではなくて、シナジーがあるかどうかがポイントです。そう考えると、ライブドアのフジテレビ買収や楽天のTBS買収の件は、シナジーが明確に示せなかったために世の中の応援が得られなかったという見方もできます。逆に、シナジーが明確なのに、経営者の都合で買収されたくないから防止策をとるというのは、世の中にとってよくないことだと言えます。


では、このGoogle-YouTubeの件はどうでしょうか?
知っての通り、Googleは世界最大級の規模を誇る巨大サーバ群と技術者を抱えており、資本の面でも世界最大級です。YouTubeは1日の閲覧数が1億を超えると言われる程の大変なトラヒック処理とコストを抱えているわけですが、Googleのサーバと技術者と資本を使えば、もっと効率的かつ大規模に運営することができる可能性は高いと思われます。しかも、Googleは既にGoogleVideoという競合サービスを運営している訳ですから、ノウハウもブランドも持っています。そして、YouTubeの確信犯的なビジネスモデル(by 梅田さん)(by しあわせのくつ)を継承するだけの度量とスピリットと攻撃に耐えるだけの強さをGoogleは持っています。


以上を考えると、このGoogleYouTube買収検討は、シナジーが明確なので、世の中にとって良いことだと思うのです。