ニンテンドーDSとWiiを生み出したチームとは?

さあ今週もがんばりましょう。

週末にWiiが発売され破竹の勢いの任天堂の開発秘話です。
これまで失敗続きだった人達を岩田社長直轄チームとして編成し、イノベーションを生み出したそうです。

「Wii」発売で結実・任天堂を任天堂のまま変身させた岩田改革【コラム】 デジタル家電&エンタメ-最新ニュース:IT-PLUS


" 岩田氏が手を付けたのは、社内の敗残部隊を集め、そこを中心に改革を進めていくことだった。任天堂は、オンラインゲームに対して消極的なイメージがあるが、実際のところ早い段階からかなりの投資を行っており、そして失敗の連続だった歴史を持つ。

 95年には衛星放送を使ったスーパーファミコン用のゲーム配信システム「サテラビュー」を開始したものの完全に失敗。96年には、「NINTENDO64(N64)」用に、ローソンのキオスク端末を使ったゲームの書き換えサービスも展開するがこちらも失敗。99年には、N64用のディスクシステムをリリースし、それに合わせてインターネット接続サービスに乗り出したが失敗。ゲームボーイを携帯電話に接続して、ネット上でランキングを競わせる「モバイルアダプタGB」も01年にリリースしたが完全に失敗した。

 ネットワークサービスや、それに近いサービスに何度も挑戦しているにもかかわらず、敗北の歴史が続くのである。

 岩田氏が行ったのは、この失敗続きで社内では片隅に追いやられていたであろうこれらの人たちを新しいプロジェクトチームとして、社長直属の戦略的なチームに再編したことにある。既存の社内政治のしがらみから切り離し、保護し育てる。

米で発売された「Wii」。センサーが付いたコントローラーで楽しめる〔著作権:AP.2006〕

 成功している強いチームと摩擦を起こさず、自分の権限の範囲の中で既存のリソースを新規チームに再編することでイノベーションの核を作る。大きな組織でイノベーションを引き起こすための基本的な戦略を見事に体現している。

 今年3月にアメリカで開催された「ゲーム開発者会議」で、このチームについての情報が一部明らかにされ、携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」の無線LAN通信機能「Wi-Fiコネクション」を成功させることを目的に作られたチームで、開発チームだけでなくマーケティングチームもあり、共同で戦略を練り上げ技術的な裏付けを与えていったという。

 結果として、DS版「おいでよどうぶつの森」の大ヒットを生みだし、再起のきっかけとなった。Wiiの戦略も、明らかにこの延長線上にある。"


失敗という貴重な経験をした人達を切り捨てずにそれを利用してイノベーションを生み出すとはすばらしいですね。
恐らく、岩田社長も出身のハル研究所が倒産しかけ立て直した経験があるそうなので、失敗から多くを学べるということがわかっていたのではないでしょうか。

私自身もそう思いますが、失敗はマイナスなことではなくて、むしろ失敗していない人より成功に近いと思います。


ただ、そういったチームや部署はどうしても社内で後ろ指をさされたり、色々なスケープゴートにされがちなので、気持ちも萎えているし、大きなチャンスをあたえられにくくなっているものです。
そこで、しがらみを受けないように自らの直轄チームとして、守ったと。


DSのWiFiコネクションやそれを利用した多くの魅力的なソフト、そしてWii。結果がすばらしいのはもちろん、それに至るまでの経営手腕が見事だと思います。こういう人は、たとえこのやり方が失敗していたとしても、それを糧に次回成功できる人だと思います。