賢いネットの使い方
今ネットで話題になっているオリコンさんの提訴問題についてです。
ITmedia News:「オリコンチャート」記事めぐりジャーナリストに賠償請求 「言論妨害では」と批判も
" 「雑誌記事内の事実誤認に基づくコメントにより名誉が傷つけられた」として、オリコンが音楽ジャーナリストに5000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしていたことが分かった。これに対し、ジャーナリストやネットユーザーからは「記事を掲載した出版社ではなく、編集部に求められてコメントしたジャーナリストを訴えるのは言論妨害ではないか」と批判が出ている。"
詳細はアルファブロガーとして有名な津田大介さんのサイトにあります。
私は背景がわからないのでこれだけではなんとも言えないんですが、ひとつ思ったのが『提訴しない方が問題が大きくならなかったのに』ということです。
例えばCNETブロガーの方もこう書かれています。
インターネットという広い世界で、自分の思った好きなことを発言している立場としては、今回の事件は非常に脅威を感じてしまうところである。
(中略)
"僕の個人的感覚だが、サイゾーの社会的信頼度自体は、ものすごく大きい方ではないと思っているので、オリコン側が無視していれば、昔からよくありがちな都市伝説のままスルーされたのではないだろうか。"
この件はいちジャーナリストを攻撃したために、ネットで大きな話題になっています。例えばGoogleニュースの関連記事を見てみると、既に9件あります。日経もITmediaもあるので、結構なページビューだと思われます。
また、テクノラティのブログ検索で関連ブログを検索してみると、「オリコン 5000万」での結果は577件もあります。
一方、問題とされている発言が掲載された雑誌の発行部数を見てみると、AERAの発行部数は246,592部です。サイゾーは掲載されていないのでわかりませんが、知名度を考えるとたぶんAERAの方が多いのではないでしょうか。
うーむ。ネットでこの件を知った人と、雑誌の読者どっちが大きいでしょう??
私はこの記事の詳細も背景も知りませんし、オリコンも好きなので、どちらがどうとは判断できません。でも、逆にオリコンのイメージが悪くなっちゃっただろうなぁという気はします。
梅田望夫さんが、最新刊『ウェブ人間論』で、ネットに好ましくない情報が掲載されてしまったときは薄めるしかない、という様なことを言われています。ネットを当たり前のものとして活用している人にはよくわかる感覚でしょう。
今回の件は、逆にネットで好ましくない情報を広めてしまったのではないかと思うので残念です。オリコンさんの正当性をもっとうまく表明する方法があったのではないかと思います。オリコンさんも間違い認めて謝罪してくれれば提訴取り下げる、という発言をされている様なので、これを機にお互いがいいイメージを世間に与える形で決着がつけばと思います。
オリコンさんは正当性をアピールできて、ライターさんの方もむしろ有名になる、みたいなHappy-Happyの形にまだできると思います。