言葉の力

で問題となっている某厚生大臣の発言について、僕の好きなブログのひとつである海部さんの「Tech Mom from Silicon Valley」が、いい記事を書かれています。とってもいい視点だなぁ、と共感しました。

Tech Mom from Silicon Valley


"それともう一つ。産む役割の人にどんどん産んでほしいんだったら、昔と違うんだから、インセンティブがないと難しいだろう。お金がかかるから子供を育てられない、という、よくアンケートなどにありがちな「建前」の話は、「子供を生むことが女性にとっていかなるインセンティブにもならない」、ということのわかりやすい表現に過ぎない、と思うのだ。子供を育てながら仕事を続けることももちろん大変だけれど、それもさることながら、子供をもつことは、世の中的に「子持ち」「おばさん」「ばばあ」と切り捨てられる世界へと閉じ込められることが背景にあるような気がする。歳をとっても、仕事でそれなりに業績をあげればその面でリスペクトされるが、子育てに専念した女性はそれも望めない。一方、日本の多くの男性がたとマスコミは、子供を産んだことのない若い女性ばかりを大切にする傾向がある。

なるほど、と思います。「お金」「仕事」の2つが大きいのは間違いないけれど、それ以外にも「子供を持つことによる社会からの扱われ方」の変化は確かに大きいのではないかと思います。

若い女性ばかり」というのも確かにそうですよね。どうすればいいんでしょうかねぇ。「男はみなマザコン」(いわゆるマザコンという意味ではなくて、生理学的に男は母親を大事にするという意味)なんて理論もある様に、子供は「母親」を大事にするのはまちがいないと思うんですが、夫や社会の見る目が変わってしまうのかもしれないですね。

男でも女でも、結婚したり子供ができたり年を重ねたりすると、社会からの見られ方が変わってくるのは自然なことだ思うんですけど、それぞれの役割や存在に対してもうちょっとリスペクトが必要ですよね。若い女の子がチヤホヤされるのはわかるけれど、それだけで世の中回転するんですか?って言ったら、もちろんそうじゃないわけですし。「おじさん」や「おばさん」をもっとリスペクトしてほしいなぁ、と思います。

個人的には「おばさん」って、話しやすいし優しいし懐広いし大好きなんですけどね。


ころで、日本では「おっさん」「おばさん」というと、あまりいいイメージで語られないことも多いと思いますが、外国ではどうなんでしょうか? 「he」とか代名詞で呼んだり、「Tom」とか名前で呼ぶから、こういう表現はないんですかね? そのあたり、もっと素敵な言葉使いができれば、変わってくる様な気もします。言葉の持つ力ってすごいですからね。


と、思っていたら、ちょうどフランスの例が。

前にもこのブログで書いたように思うが、フランス語では既婚女性を指す「マダム」の呼称のほうが、「マドモアゼル」よりも地位が高いので、未婚か既婚かわからなかったら「マダム」と呼ぶ、と習った覚えがある。まー、フランスも最近まで少子化がひどかったようだから、もちろんそれだけの話ではないのだけれど、考え方として、子供を育てている最中の女性や、育て終わった女性が、社会のいろいろな場所でもっと尊敬されるようにならないものかと思う。

「マダム」の方が「マドモアゼル」よりいい意味で使われているって素敵ですね。日本もなにかいい言葉があるといいんですけど。「ナイスミドル」とか「シロガネーゼ」なんてプラスの意味で使われる用語もありますしね。

あと、芸能人やセレブの方で、子持ちでも素敵な社会生活を送ってかつ社会からも賞賛されている人っていっぱいいると思うんですけど、そういう方がもっと理想モデルになるといいですよね。


い機会なので、大臣のバカ発言ですませないで、何かいい方向に考えるきっかけになればと思います。記録に残らないTV等のメディアじゃなくて、記録に残り、広がり、蓄積されていくウェブの方が社会問題の議論には良いと思います。