ビルゲイツの今後に期待すること

 
 退を表明しているMicrosfotのビル・ゲイツは、財団を設立し慈善活動を行うとしています。世界指折りのお金持ちにして投資家のウォーレン・バフェットがその財団に300億ドルもの寄付を行ったため、今後毎年30億ドル(3500億円!)ものお金を使っていくことになるそうです。

On Off and Beyond: ウォーレンバフェットがビルゲイツに3兆円託して世界が変わる
http://www.chikawatanabe.com/blog/2006/06/post_13.html#_

 とても期待したいところですが、1点気になるのが、NPO(NonProfit Organization:非営利団体)なのか通常の企業形態なのかとう点。一般的にはNPOで利益を求めず慈善活動するのが当たり前ですが、必ずしもNPO形式がいいとも言い切れないと思うのです。

 確かに、利益を求めなければ通常はできないような活動を採算度外視で行えるというメリットがあります。しかし、利益を求めなければいずれはそのお金を使い果たしてしまうことにもなるのです。企業のことをゴーイングコンサーンと言いますが、これは「継続企業の原則」を意味しています。つまり、企業というのは継続を前提とした存在ということです。ビル・ゲイツの試みは大変すばらしいものだと思うので、ぜひ一過性ではなく永続できるゴーイングコンサーンとして利益も求めて欲しいのです。

 もちろん、株主に還元したり、社員に高い給料を払えという意味ではなく、適切な内部留保と投資によって活動を継続拡大できる様な体制にして欲しいということです。慈善活動の対象となる人々からお金をとるという意味ではなく、その他投資運用や先進国向けのビジネスで利益を出して欲しいという意味です。


 うすれば、ほとんどの国の予算を超える程の大規模な、とても素敵なミッションを持った組織がずっと活動できることになります。企業経営はビル・ゲイツのお手のもの。無理にビジネスセンスを押し込めずに、その良さをそのまま生かして欲しいものです。