ケータイ業界とテレビ業界の違い

 得権益の代表格としてあげられる両者だが、それに対する批判には大きな違いがあると思う。

テレビ業界に対する批判は概して次の2つにまとめられる。

  1. 高い給料とステイタスがうらやましい
  2. もっとコンテンツを有効活用せよ


1は、経済全体にとってはあまり意味がないことだ。誰もがうらやむ環境だが、それを論じても仕方がない。2は、YouTube等で話題になった著作権問題とともに語られる。これは経済にとって意味のある議論だ。どんどん議論すべき。



一方、ケータイ業界に対する批判は次の2つにまとめられる。

  1. 携帯料金を安くしろ
  2. もっとオープンにしろ


1は、単なる要求と言えなくもないが、社会的影響力が大きいので、考える意味があることだ。2は、まさに携帯業界のあり方について論じる問題だ。どんどん議論すべき。


このように、ともに2の方が経済にとっては意味のあることなのだが、関心が高いのはやはり1だろう。ブログ界では2についても盛んに議論されているが、世間全体では圧倒的に1に対する興味の方が高い。


は、両者の1の違いはどこからくるのだろうか?


答えは簡単で、テレビは無料で、ケータイは有料だからだ。

テレビは無料なので、テレビのビジネスそのものに関する不満はほとんどの人が持っていない。彼らの高収入やステイタスはうらやましいが、それを是正すべきというよりは自分もそれにあやかりたいと思っている人がほとんどだ。

一方、ケータイ料金への関心はほとんどの国民が持っている。だからビジネスに口を出したくなる。携帯業界の人はそんなにお金持ちではないのでうらやましくはないが、とにかく自分の出費に関係するので気になる。



局、僕らの関心はこんなところに理由があったりするわけだが、ここはひとつ、2についてもっと考えようじゃないか。