GoogleのPDSスタイル

 Googleの元CIOが音楽レーベルEMIの部門トップに就任したそうで、その動向が注目されています。ココで注目したいのは、何をやるのかではなく、そのスタイル。Google自体に培ったのではないかと思われる実験主義を語っています。

音楽業界を救えるか--グーグル元CIOに聞く:スペシャルレポート - CNET Japan


「実験してデータを追跡しなければならない」とMerrill氏は言う。「われわれには直感があるためにそれがしばしば困難になる。問題はわれわれの直感がいつも正しいとは限らないことであり、Googleがそのことを繰り返し示してくれている。われわれは『サイトはこのように動作するべきだと思う』ということについて内部で議論したことがある。われわれは実験をやってみて間違える。そして、『Xだと思っていたが自分は間違っていた。それは実際にはYだった』と喜んで言えるようになるべきなのだ。それでかまわない。失敗してもかまわないのだ。なぜならわれわれが試すほとんどのことはうまくいかないのだから。だからこそ実験と呼ばれるのだ。そうしたことはわたしの心に染みついている」


 般の企業では、”勘”や”センス”、あるいは”市場調査”等でビジネスプランを考えがちですが、そうではなく実験が重要だと言っています。別記事でCEOのエリック・シュミット氏も実験やデータの重要性を述べていたことがあります。Googleスタイルということでしょうか。

いわゆる”Plan Do See”(計画して、やって、振り返る)の重要性は新入社員でも知っているものですが、多くの企業で充分に行えていないのもまた事実。Seeが甘かったり、Planが長くてDoが遅かったりする企業が多いと思います。一方、素早いアジャイル型の開発とβ版ローンチによるユーザの声を反映させながら改善していく仕組みがGoogleだけでなくネット企業の多くで実践されています。当たり前の話ですが、不確実な予測に頼るより、ひたすらPlan Do Seeを繰り返して行くGoogle型の方が成功にいち早く近づくのは当たり前ですよね。このあたりの感覚が、情報科学的というGoogleの特徴なんだと思います。

ソフトウェア産業以外では単純に真似するのは困難な面もありますが、参考にできる点が多いのもまた事実。いいものはどんどん取り入れて産業全体がPDSを効果的に行えるといいですね。