会議で使えるテクニックその11
よく会議で人の意見に対する返し方として『逆に言うと〜』という言い方がある。違った視点で物事を見るという意味では、先日紹介した『会議で使えるテクニックその9』のように、いいことなのだが、あまりに逆・逆と返されるとちょっと素直に受け取れなくなる。『この一言で人間関係がうまくいく』にある様に、まずはいったん相手の意見を受け止めた方がいいだろう。
そんな『逆に言うと〜』テクニックだが、論理的には間違っているケースが多々あるのでご注意。高校の数学で習ったことがある人もいるだろうが、『逆』と似た意味をもつ『反対』『対偶』というものがあるので、注意したい。
詳しくはこちら。
命題「AならばB」に対し、
- 対偶:「BでないならAでない」
- 逆:「BならばA」
- 裏:「AでないならBでない」
対偶の場合とは異なり、元の命題「AならばB」が正しくとも逆や裏は必ずしも正しいとは限らない(逆は必ずしも真ならず)。 しかし、逆命題「BならばA」の対偶は「AならばB」の裏「AでないならBでない」と一致するので、 逆「BならばA」と裏「AでないならBでない」の真偽は必ず一致する。
『対偶』は常に成り立つが、『逆』や『裏』は必ずしも成り立たない。しかも、『逆』と言っているのに、実は逆じゃなくて『裏』や『対偶』のことを間違って言ってしまっていることが多い。そのいずれでもない場合もある。
誰かが『逆に言うと〜』テクニックを使ってきたときは、それが本当は何なのかを見極めてみよう。