言葉の力について

今日は言葉の力について。

最近特に思うのですが、言葉というのは本当にすごい力を持っています。
いい例が検索エンジンです。
言葉(=キーワード)を共通の信号として扱い、ある言葉の組み合わせに対して最適な情報を返します。
当たり前のように使っていますが、実はこれはすごいことで、人間と機会が言葉という信号を通してコミュニケーションしているのです。
もう少し正確に言うならば、検索者が入力した言葉と、他の人々が発信している情報(Webサイト)の仲介をしているわけですから、検索者と情報提供者とのコミュニケーションの仲介を機械(例:Googleサーバ)が行っている訳です。情報発信者がきづかないうちに、自分が発信した情報を他の誰かに結びつけてくれる。これってすごいことだと思いませんか?何がすごいかというと、時空を超えて結びつけているからです。
インターネットはネットワークですから、空間を飛び越えているのはよくわかると思います。もうひとつ時を超えている点にも注目したいと思います。
普通リアル世界では、誰かと誰かがコミュニケーションするには、時も空間も一致していないとできません。ところが、ネットワークによって空間を飛び越えることができる様になりました。例えば電話もその一例です。
そして、記録するという行為によって、時間も飛び越えることができる様になったのです。これは例えば、書籍や新聞や手紙、電子メールがそうです。
ネットワーク+記録によって、コミュニケーションが時空を超えて可能になったのです。
ここで、記録するということについて考えてみたいのですが、下記の養老孟司さんの「バカの壁」によると、情報というのは変化しないもので、人間は変化するものとあります。つまり、記録するとは、変化するものを変化しない様に置き換える作業なのです。

バカの壁 (新潮新書)

バカの壁 (新潮新書)

変化するものを変化しない様に固定して時間を超える、そして、ネットワークで空間を超える。インターネットや電子メールとはこんなすごいコミュニケーションを実現しているのです。
もうひとつポイントがあります。それは、機械(コンピュータ)がそれを実現しているということです。なぜ機械が人間同士のコミュニケーションの仲介をできるかというと、それは人間と機械に共通に理解できる信号があるからです。それがデジタル信号です。正確に言うと、機械が理解している訳ではないのですが、機械が処理しやすい信号なのです。人間の脳はアナログ的なものもデジテルも理解できますが、機械はデジタルでないと扱いづらいのです。だから、デジタル化することで、機械が扱いやすくなり、機械の力を発揮しやすくなります。
インターネットはまさにこれであり、変化する世の中の事象を情報という変化しないものにおきかえて時を超え、かつその情報をデジタル化することで機械が扱いやすい形にしネットワークの力を使い空間を超えている。これがインターネットの本質です。
機械の力を借りて、本来ならば時と共に変化するものを固定して、時空を超えて他の人に届ける。こういうことなんだと思います。