「国家の品格」と「ウェブ進化論」

 現在日本でベストセラーとなっている「国家の品格」(藤原正彦さん)と「ウェブ進化論」(梅田望夫さんid:umedamochio)について。
 それぞれ、現在の日本や世界の一面を鋭く分析しわかりやすく説明してくれているすばらしい本で、物事を考えるきっかけを皆に与えてくれて、とても感謝致します。

奇しくも、この全く関係のない2冊のベストセラーで意見の一致や相違がありますので、そのあたりについて考えたいと思います。

1. 「権力について」

 「国家の品格」では、本筋論とはちょっと離れた部分で民主主義について触れており、『民主主義とは主権在民のことであり、世論が全てということである。そして、世論の判断材料はマスメディアしかないから、マスメディアが第一権力となっている。』ということを言われています。
 一方、「ウェブ進化論」では、Web2.0論の中で『不特定多数無限大の力』について言及されています。
 前者の考えについては、Webが1.0の時代においては一理あるものだと納得される方が多いと思いますが、2.0の時代においては後者の言われている『不特定多数無限大』(Blog、SNS等のCGM)により、少しずつ変わってきていると言えると思います。

 例えば、立法・行政・司法の3権のうち立法については、先の選挙でBlogによる選挙予測が当たっていたこと、選挙予想がネットで行われる様になってきたこと、Blogを書いて国民とコミュニケーションを取る国会議員がでてきたこと等が大きく注目され、不特定多数無限大の影響の度合いが強くなってきていると思われます。
 行政については良い例が浮かばないのですが(ご存知の方いたらお願いします)、司法ではWinny問題において掲示板やBlogにおける書き込みが大きな影響を与えていることは明らかです。

 これらの変化により、民主主義の第一権力として大きな影響力を持っていたマスメディアの力が少しずつ民に移っていくと、これはネット文化やメディアの話だけに留まらず、政治論・国家論にまで広がっていくと思うのです。
このまだ小さいがとてつもなく大きくなり得る変化の中で、日本や世界の経済・世界はどうなるのか、どうすべきなのかを、「国家の品格」+「ウェブ進化論」として考えていきたい。


他にもこの2冊を比較した考察がいくつかあるので、追って書いていきたいと思います。
読んで頂いた方、感謝致します。

国家の品格 (新潮新書)

国家の品格 (新潮新書)

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)


※「国家の品格」と「ウェブ進化論」を一緒に触れているBlogが他にもありますので、ご紹介します。他にもありましたら、コメント等で教えて頂けると助かります。

・社長ブログ@freshEYE(金田直之さん)

・情報政策ブログ(砂田薫さん)