インターネットに足りないもの

 今日はインターネットに明らかに足りないものについてです。

それは音です。BB化によって楽曲ばかりか動画コンテンツまで利用できる様になってきましたが、それは特定のコンテンツ販売サイトや共有サイトで行われていることであって、一般的なホームページやブログでは滅多にお目にかかることがありません。たまに、女性が運営しているブログやファッション系の企業サイトでBGM付きのサイトがありますが、非常に稀だと思います。

PigletsPiglets by Flickr

これは何故でしょうか? あまり意味がないんでしょうか? 技術的に無理なんでしょうか? ニーズがないんでしょうか?
私はどれも違うと思います。むしろ、音にこそ次のイノベーションのチャンスがあると思います。


もっと、音の持つ魅力を認識して欲しいと思います。
音楽が人の心を動かし感動させることがある、ということは好きなアーティストのことを考えればすぐにわかると思います。
それだけではなく、音楽は人の心理に深層的な影響を与えることが知られています。

例えば、ディズニーランドのことを考えてください。ディズニーランドはその世界観を他のいかなる産業よりも重視している企業のひとつですが、彼らが凝っているものの一つに音があるんです。ディズニーは複数のテーマパークに分かれており、それぞれのパークイメージが重ならない様に、様々なオブジェクトやキャラクターを使って視覚的に明確に区分けしています。これは皆さんご存知だと思います。
しかし、実は音楽もパークイメージを分離するのに大きな影響を与えているのをご存知でしょうか?
実は、ディズニーではパーク毎に音楽を変えているのですが、その音楽が決してかぶらない様にスピーカーの位置を完璧に調整しているのです!


また、不思議とディズニーランドでは新しいパークエリアに入った瞬間にそれとわかる様な雰囲気があったことを覚えていませんか?
あれは聴覚効果なんです。エリアをまたがると、視覚だけでなく聴覚によって、新しい世界に入ったことを深層心理に訴えているわけです。それも、絶対に音楽がかさならない様になっており、かつ段々と音楽が体に届いてくる様な絶妙な配置と音量が考慮されています。

また、ディズニーといえばパレードが有名ですが、どうしてあんなにパレードに惹き付けられるかわかりますか?
実はこれも音楽の仕掛けが大きな影響を与えているんです。ディズニーのパレードが気になって仕方がないのは、なんと、どこにいてもパレードの音楽が快適に耳に入ってくる様になっているからなんです。少し離れた位置にいても、反対側を向いていても、不思議とパレードの世界に引込まれる様な仕掛けを音楽が創り出しているんです。


これに限らず、音楽というのは人が意識しないうちに大きな影響を与えることができるという、素晴らしい効果があります。音のないテレビと映像のないテレビ(ラジオ)を比較してみてください。どっちが楽しいですか? 映像ですか? 違いますよね。必ず、映像がなくても音がある方が楽しいし、気になってしまうはずです。


音ってすごい影響力を持っているんです。これがネットの世界でまだ十分に活用されていないのは非常にもったいない。幸いなことに、iTunesYouTube等の影響で、PCでもスピーカーの音をONにしておくのが当たり前の環境が世界的に整ってきました。これはチャンスです。次にくるのは音です。音を使ったサービス。音を使ったブログ。音を使った検索。音を使ったSNS。音のサービスが来ます!