インターネットの父が語るこれから

ビント・サーフ

 最近急に気温が下がってきましたね。夏好きの私としては、もうちょっと夏モードでいきたいところです。

さて、今日はインターネットの父として知られるVint Cerf氏(ビント・サーフ氏)の来日会見からです。現在はGoogleに所属するVint Cerf氏のコメントから今後のインターネットとユーザの動向について。

by CNET Japan『ビント・サーフ氏、「クリエイティブになれ、もっと創造しろ」と日本人に喝』

Cerf氏は、今メディアの世界で起こっていることとして、「ユーザーは、自分のやりたいこと、見たいものを、自分で選択したいと感じているはずだ」と話す。現在テレビやラジオで提供される番組や広告は、放送局が番組と広告を組み合わせ、決まった時間にコンテンツを提供しているが、「本当はみんな自分の好きな時間や好きな場所で自分の好みのコンテンツだけを見たい、自分に必要な情報だけを入手したいと感じている」とCerf氏は主張する。気に入ったコンテンツを好きな時に欲しいだけ購入できる「iTunes Music Store」や、ユーザーの好みを学習してテレビ録画を行うハードディスクレコーダー「TiVo」(日本未発売)などがこれだけ大きく注目されたのも、「ユーザーが自分で自分の好みを管理できるためだ」とCerf氏はいう。

この『自分で選択したい』『自分で管理したい』という欲はコンピュータやインターネットによってここ数年すごく大きくなってきていると感じます。
例えば、ハードディスクレコーダーに慣れたことで、テレビを見ていると、CMをスキップしたくなるムズムズ感が大きくなりましたし、見たくもないコンテンツをながら見することは逆に減りました。
また、ブロードバンドに慣れたことで、インターネットをしていると、ちょっとした待ち時間すら待てなくなりましたし、GoogleDesktopによってブックマークすら面倒になってきました。
こうした心の変化、欲求の高度化を誰しも経験していると思います。

では、この傾向が続くとして、コンピュータやネットワークが人間の欲求をますます高めていった場合、いずれはどうなるんでしょうか?

ありとあらゆるものが思考通りに操作できる様になったら、どうなるんでしょうか?
既に一部なりつつありますが、知りたいこと、見たいもの、聞きたい音楽、話したい相手、全てを自由に管理できる様になったら、どうなるんでしょうか?

それはきっと、思考が現実になるということなんだと思います。ちょっとSF的な話かもしれませんが、コンピュータとネットワークが究極まで人間のニーズに答えてくれたら、きっともう理想=現実になるんでしょう。欲求=現実。

よくリアル世界の解釈として、人それぞれの現実が存在する、という多世界解釈がありますけど、そんな世界に近づいて行くことになるのかな、という気がします。みんなが思い思いの理想の世界を過ごすことができる世界。そうなったら、逆に、他人とのコミュニケーションが重要になってくるのかもしれません。上記の記事で、Vint Cerfさんが、『コラボレーションツールに注目している』と言われているんですが、その感覚は、ひょっとしたらこんな考えが未来像にあるからなのかなぁ、等と思いました。


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