iTVに思う日本にかけているもの
最近雨が多かったですが、今日は晴れの地域が多く気持ちよかったですね。虫の鳴き声がとてもキレイでした。
さて、引き続き3日連続アップルのiTVについてです。アップルが映像サービスとリビングへの進出を大々的にアピールしたことに端を発して、CNETで森祐治さんがこう書かれています。
by CNET Japan 森祐治『アップルのiTV登場に思うこと』
しかし、すでに現実はその動きをとうに追い越し、相対的にそのスピードで移動している米国などのメディア、コンテンツ、ネットプレーヤーに置いてきぼりを食らい、日本という大量の豊かな消費者からなる「ガラパゴス諸島」=忘れられた島国となってしまわないか。そして、外部からの侵襲には極めて脆弱な体質に陥ってしまわないかという点を、危惧するのだ。
まったくその通りだと思うんですよね。
iTVについてイマイチ喜びきれないのは、コンテンツの種類が十分じゃないとか、画質がDVDレベルとか、まだ発売されたわけじゃないとか、そういうことだけではなくて、何よりも『日本はどうせ利用できないんでしょ』、という予測から来ていると思うんです。
この理由の根源は、YouTubeでもさんざ議論されている著作権問題が一番大きいわけです。
これがなかなか改正されない理由として、放送局を初めとした大手メディアやコンテンツ産業(芸能界)が悪いとされていますが、それだけではなくて、政治はもちろん、ひいてはわたし達国民の改革に懸けるパワーが弱いからだと思うんです。
大手メディアやコンテンツ産業界の気持ちもわかるんですよね。いきなりモデルやルールを変えろと言われて、それで利益が(少なくとも一時的には)下がることが目にみえていれば、なかなか二の足を踏んでしまうのも当然でしょう。となると、どうしてもこういった改革というのは外部からのエネルギーが必要だと思うんですが、どうもそれが弱いのかなぁ、と。
梅田望夫さん(id:umedamochio)の『シリコンバレー精神 -グーグルを生むビジネス風土』に書かれている様に、アメリカ特にシリコンバレーは『いっちょやってやろう』っていうエネルギーをすごく感じるんですよね。Web2.0系のテクノロジー系ニュースサイトを見ていると、毎日の様に新しいサービスが誕生しています。『俺が世の中を変える!』っていうパワーをすごく感じます。
これが私たち全体としてまだまだ足りないから日本メディア界を変えることができないんじゃないかなぁ、と思います。YouTubeだって始めから認められていたわけじゃなくて、現状のサービス内容を事前に聞いたら、誰もが『無理』『ダメ』『つぶされる』という内容だと思うんです。それでもやる人達が少なからずいるということ、それを応援するエネルギーがあること、このあたりが日本にはまだまだ必要なんだなぁと痛感させられました。
日本には、優れた技術者が、ハードはもちろんソフトウェアでもいると思うんですよね。ただ、『ビジョンと夢を持った改革者』が少ないんじゃないかなぁと。
何年後かわからないけれど、ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズやラリー・ペイジ(Google創業者)の様に、世界を変えて世界中にそのビジョンが注目され感謝される存在になっていきたい。日本から出したい。