理想のビジネスモデルは焼きそば屋

 今日は無料視聴DRMフリーで有名な音楽配信サイトmF247の丸山さんの記事から。記者は「グーグルGoogle 既存のビジネスを破壊する」等で有名な佐々木俊尚さんです。

ビジネスモデルのあり方について良い例となるものがありました。

ITmedia アンカーデスク:mF247の丸山茂雄さんが考えた「焼きそば屋的Web2.0ビジネス」(下) (2/2)


" ではmF247は、どのようにして今後成り立っていこうとしているのだろうか?

 「代々木公園の歩行者天国で、バンドが演奏している風景があるでしょう? あれをネット上でやっているだけなんです。音楽を人に聴かせたい人たちがいて、それを聴きたいと思って集まってくる人たちがいる」。でもそこでは、収益は立ちにくい。

 「歩行者天国では実はバンドはまったく儲かっていなくて、儲かってるのは焼きそば屋とかホットドッグ屋。だから僕たちは聴く人からお金を取るつもりはないし、ミュージシャンから貰っている審査料も、そのうち撤廃するかもしれない。だから焼きそば屋とかで儲ける仕組みを作ればいいんだよね」"


これってビジネスモデルとしてひとつ理想的だなぁと思いました。
誰も嫌な思いをしていないし、ずるさも、あくどさもない。皆が好きな事をして、楽しんで、喜んでいる。皆が+になっているモデルだなぁと。

例えば、こういう感じです。


ミュージシャン:好きな音楽を大勢の前でできる。大勢に聞いてもらえる。
リスナー:好きな音楽を無料で聞ける。おなかがすいたらすぐに露天で食べられる。
焼きそば屋:大勢集まっているところで露天商売ができる。


誰もが+。すばらしいですよね。逆に皆がプラスに感じる様なモデルでないと続かないですよね。
これが逆に音楽を聞くのにお金を取ろうとすると、こんな感じになっちゃうわけです。


ミュージシャン:お金はもらえるけど、お客さんが集まらないのでやってて楽しくない。
リスナー:お金を取られるなら、あまり聞きに行きたくない。
焼きそば屋:人が集まらないので儲からない。


いわゆる負のスパイラルです。これでは結局続かない。
必ずしもお金を取らないのがいいモデルというわけではもちろんないんですが、お金を取りやすいものとそうでないものがあって、それは常に人の心理に関係してくるので変化し続けるものです。
音楽の場合、今は『無料(格安)で聞けても不思議じゃない』、という感覚が多勢を占めているので、無料や格安でないとなかなかうまくいかないわけです。

そういった心理面の機微をとらえて、無料視聴DRMフリーを選択されているセンスはすばらしいなぁ、と思います。
で、それだけではもちろん収益がないので、焼きそば屋の様な、別のお金を取りやすいビジネスモデルを組み合わせると。

Googleもそうですよね。ビジネスモデルを組み合わせています。検索を有料にすることも考えたそうですが、結局トータルで考えると検索は無料で広告モデルを組み合わせた方が儲かると判断したそうです。
検索は無料という心理が多勢を占めている。だったら、検索によって集まるお客さんを他のお金を取りやすいモデルの方に利用しよう、というわけです。さらに、ユーザからお金を取るのではなく、お金を取るのを他の人達(広告主=広告の先で有料でサービスを提供する人達)に任せて、そのプラットフォームを提供するのが一番賢いと判断したのが賢いですね。


最近は儲けやすい(お金を頂きやすい)ものとそうでないものが急激に変化していきています。こういった消費者心理の変化を敏感に感じて正のスパイラルをつくるとがますます大事だなぁ、とあらためて思ったしだいです。



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