日本語でわかるロングテール著者の新理論

今日も読んでくれてどうもありがとうございます。

梅田望夫さん(id:umedamochio)の最新エントリに、ロングテール理論の提唱者であるChris Andersonの新理論が書かれています。

英語だとわかりづらいので、超訳してみました。
(あくまで超訳なので細かい違いはご容赦を。)

<参考>

本人エントリ

本人発表資料

梅田さんエントリ

解説エントリ…My heart’s in Accra » An abundance of Chris Anderson


「The Economy of Abundance」と「The Economy of Scarcity」について書かれています。
「豊かさの経済」と「貧しさの経済」とでも訳しましょうか、あるいは「潤沢経済」と「希少経済」の方がいいかもしれませんし、「富豪経済」「貧乏経済」なんて訳もおもしろいかもしれません。


この2つの違いと、豊かな方に変化することで考え方やビジネスが変わって来ている、ということをいくつかの例を使って説明されたそうです。

超訳
Carver Mead博士はセミコンダクターがタダ同然なったら何が起こるだろうかと考えた。その答えは『使いまくる』だ。この洞察がVLSIにつながった。何千ものトランジスターが集積されたものだ。


アラン・ケイトランジスターがタダ同然になったら、従来のコマンドラインではなく、画面に絵(アイコン)を作れると考えた。これによってコンピュータが美しく楽しく便利になった。


我々は「貧しさの経済」から「豊かさの経済」に移行している。HDDストレージで言えば、Hotmailが2MBだったものがGmailで2Gにまでなった。『メールボックスが一杯です』なんてことはなくなった。


放送は「貧しさの経済」の例だ。チャンネルが限られている。YouTubeでチャンネルが無限になるとどうなるかがわかった。


ウォルマートAmazon、ブロックバスターとNetflixタワーレコードとiTunesStoreの様な「貧しさの経済」と「豊かさの経済」を現した例がある。


他にも貧しさの経済から豊かさの経済に変化しつつある例がこんなにある。

・従来は、ROIを考慮してビジネスプランを立てていたが、今やそんなことを気にせずビジネスを作り続ける。

・従来は、許可されていなければ禁止されているというのが常識だったが、今や禁止されていなければOKというのが常識だ。

・「貧しさの経済」はパターナリズムで、「編集者こそが最高のものを知っている」という考え方。豊かさの経済は平等主義だ。「誰もが」という考え方。

・「貧しさの経済」はトップダウン方式で、「豊かさの経済」はボトムアップだ。命令と管理によるものではなく、コントロールできないものだ。
超訳おわり>


確かに、梅田さんがウェブ進化論で言っているところの「チープ革命」に代表される様に、様々な製品やサービスがタダ同然になるに従って、考え方もビジネスもサービスも変わって来ていますね。

制限を取り払って考えると色々な可能性が見えてくる、ということなのだと思います。それがムーアの法則等により実現できる様になってきたと。

SONY産総研→アップルと移籍された日本UI界第一人者である増井さんの「富豪的プログラミング」も近い考え方だと思います。

素敵な考え方ですよね。人生,時間、お金、仕事、人間関係、制限を取っ払ってみると色々な可能性が開けてきそうです。