ネットで文系が活躍する時代が

wanwangorogoro2006-12-02

今週もお疲れさまでした。はなきんは気持ちいいものですね。

さて、今日は、YahooがMicrosoftGoogleの様に開発者を味方につけ、ディベロッパー(開発者)ネットワークを作ろうとしている件について。
ここからネット産業の成熟度とこれからを考えます。

プログラマーの支持獲得に動くヤフー--目指すはプラットフォーム企業への変身 - CNET Japan


"巨大インターネット企業Yahooが、開発者、特に新興 ウェブ企業の開発者に関心を移しているという事実は、アプリケーションのオンライン提供が増える中でウェブ開発パートナーが戦略上いかに重要かということを示している。

 ウェブ企業の代表的存在であるAmazon.com、eBay、GoogleMicrosoftといった企業は、開発者との信頼関係構築に細心の注意を払ってきた。2005年3月に「Yahoo Developer Network」を立ち上げたYahooもまた、この方針に従っているということだ。"


Microsoftが成功した理由のひとつが、圧倒的な開発ツールとサポート環境を準備してWindows用ソフトを豊富にしたことです。
Googleが先端的であると見なされる理由のひとつが、APIの無償公開です。
そして、Yahooまでもが開発者を味方につけようとしています。


これはなぜでしょうか?



それは、誰がイノベーションを起こすのかがよくわかっているからではないかと思います。
この業界で現在イノベーションを起こすのはソフトウェア技術者だとわかっているのです。

MicrosoftGoogleはズバ抜けて優秀な技術者を集めまくっています。これも何が勝負所になるかわかっているからです。

現在イノベーションを起こしているのは、知的な戦略家でも抜群の営業マンでも優れたマネージャーでもないのです。ソフトウェアエンジニアなのです。

もちろん、他の担当が重要でないわけではないし、未来永劫その状態が変わらないわけではありません。
ただ、現時点ではソフトウェアエンジニアがキーなのです。


それはなぜでしょうか?



それは、まだこの業界が黎明期だからでしょう。
どんな業界でも黎明期はクリエイターその人こそが価値の大きな部分を占めます。
市場やテクノロジが成熟するに従って技術で差がつきにくくなると、マーケットを読む力が大事になったり、営業力が武器になったり、経営手腕が重要になったりします。この段階にまだネット業界は達していないということです。今はソフトウェアエンジニアすなわちクリエイターが価値の源泉です。


これはどんな業界でもそうだと思います。例えば建築業界を考えてみます。
むかしむかし、建築技術が未熟な時代は、圧倒的な技術を持つ匠の大工さんこそが貴重でした。
次第に技術ノウハウが一般化すると、時代のトレンドを読んだり、スポンサーに売り込む能力が大事になります。
そして、もっと大規模な建物をつくろうとすると、大勢の人をまとめあげる必要があるので、チームマネジメント力が必要になります。
それすら当たり前になると、今度はいかにしてコストを下げて組織を存続させるかという経営力が大事になります。


このように、産業の成熟度によって重要な役割を果たす人が変化していきます。だから今のウェブはまだまだエンジニア=クリエイターの力が重要な初期時代なんでしょう。


では、この先に技術の発展スピードが遅くなったら何がキーになるでしょうか?
例えば営業やマーケティングや経営です。
今のウェブは理系の技術者の時代で、はっきり言って文系の人は勝負しづらい世界です。
でも安心してください。きらいにならないでください。あなた方の力が重要になる時代もいずれやってきます。




※もちろん重要な役割が変わってくるというだけで、どの産業のどの担当も大切であることにかわりありません。それと、わかりやすいので書きましたが文系・理系というのはおおざっぱすぎるし、人の才能はそんな風に単純に分かれるわけではないです。誰にも色んな才能があって色々な生かし方があります。