ネットのお財布はどこが握る?

本当に寒くなってきましたね。人は首周りと足下に寒さを感じるツボが多いらしいので、そこを暖かくするだけで全然違うそうです。


さて、今日はMicrosoftIntelについて。いわずとしれたPC業界の巨人ツートップですが、最近ちょっと苦戦が見て取れます。

例えば、今年始めから大々的にアピールを開始した「ViiV」です。ViiV対応のPCに配信されるコンテンツを簡単に視聴したり、ViiV対応のTV等からPCにアクセスして楽しむこともできるエンターテイメントプラットフォームです。
CPUや各種チップをIntelが規定し、OSやUIはMicrosoftという最強コンビでしたが、まだPCメーカにも家電メーカにも受け入れられていない状況です。


そして、PCにFelica(JRのスイカみたいな非接触カードの読み取り機)を搭載するプロジェクトもイマイチな状況の様です。

ITmedia News:“PCにEdyを載せる”プロジェクト、半年経った今、現状と課題は……? (1/2)


"インテルビットワレットマイクロソフトは12月7日、3社が進めている「スマートデジタルライフ推進プロジェクト」について、進捗状況を説明するとともに、12月から開始する実証実験について発表した。

 スマートデジタルライフ推進プロジェクトは、非接触IC技術「FeliCa」と電子マネーEdy」による個人認証やEC(電子商取引)の普及を目指す3社の共同プロジェクトだ。(1)FeliCaリーダー/ライターのPCなどへの標準搭載や外付け機器の普及促進、(2)個人認証・決済手段として、Edyを採用する事業者を増やす(PCサイト)(3)ユーザーの認知・利用を促進といった3つの目標に向け、1年間それぞれの立場で活動を行う、としていた(6月13日の記事参照)。"
(中略)
 決済時に「かざすだけ」で済むEdyには、小銭をやりとりしなくてよいだけでなく、本人認証もできるという大きなメリットがある。パスワードや IDを入力したり、クレジットカードの番号を入力したりするのに比べ、はるかにユーザーの手順が簡単になるEdyは、確かにネット決済に向いている。しかし一見順調そうな本プロジェクトにも、課題はある。

 1つは、FeliCa対応のリーダー/ライターの普及がまだまだだということだ。2006年度上期の国内PC出荷台数は621.5万台(11月30日の記事参照)。一方、FeliCaポート内蔵PCの出荷台数は、増えたとはいえ半年間で約75万台しかない(2006年6月から12月頭までの数字)。調査期間が違うので単純計算はできないが、FeliCaポートを内蔵したPCはまだまだ“珍しい”存在である。


ソフトにもハードにも多大な影響力を持つこのツートップがどうして苦戦するのでしょうか。簡単に言えば警戒心ではないかと思います。あまりにPC業界でこの2社が上手くやったので、何かにつけ他の企業が警戒しているのではないでしょうか。


特にこのFelicaの件は、単にPCに決済ハード機能をつけようという話ではなくて、数少ないインターネットビジネスの中でも最も確実に儲かりかつ拡大していくと思われる課金トランザクションのプラットフォームを抑えることにつながるからです。


さすがにもうみんなその重要性に気付いているので、なかなか言う通りにはならないでしょう。ネットのお財布はGoogle、Yahoo、Amazon、ebay、楽天からクレジットカード会社、銀行に至るまで皆が狙っている領域です。


OSとチップを抑えている巨人が果たしてプラットフォームにまで進出できるのか? 静かなかけひきがWintelとメーカの間で行われています。