お金としあわせの増え方

のブログはインターネットや経済によってしあわせになる方法を考えるというコンセプトなので、今日は、お金について考えます。


く言われるゼロサムについて。ゼロサムというは、サム(和、合計)がゼロ(0)、つまり一方がシェアを大きくしても一方がシェアを小さくするだけで、トータルでの変化はないという意味です。いわゆる『シェアの取り合い』をしているだけの市場を指したりします。

そして、よくこんなことが言われます。『お金の総量は決まっているから、誰かが儲かれば誰かが損する。ゼロサムだ、競争だ。』と。けれど、これは間違っています。こういう考えをしていると暗くなるからやめましょう。誰かが儲かっても必ずしも誰かが損をするわけじゃなくて、市場全体が広がることもあるからです。例えば、SONYが儲かると松下が儲からなくなるわけじゃなくて、SONYの成功によってその業界そのものが活性化して、たとえ松下のシェアが下がったとしても松下も儲かるということはあるのです。

もっと言うと、お金の総量が変わらなくても、お金の流通がスムーズになればなるほど、皆が豊かになれるんです。誰かがお金を使えば誰かの利益になります。そして、その人がまたお金を使えばまた別の人の利益になる・・といった風に、どんどんどんどん皆がお金を流していけば、皆がお金を使って様々な製品・サービスを楽しむことができます。

だから、ゼロサム的な取り合いビジネスじゃなくて、皆が儲かるビジネスを考えた方がしあわせですし、お金をためこむよりはどんどん流通した方がしあわせですよね。(貯金しない方がいいという意味ではないです。ある程度の蓄財はもちろん必要です)



は、どうやればしあわせな非ゼロサムを実現できるでしょうか。元米大統領ビル・クリントン氏がこう言っています。

非ゼロ和 - Wikipedia


"社会がより複雑になると、地域や国境という枠を超えて相互依存の網の目のような関係もより複雑になり、人々が自分の利害を考える上で、誰かが獲得して誰かが失う(win-lose)というゼロ和的な解決方法ではなく、両方とも得られる(win-win)という非ゼロ和的な解決方法を見つけざるをえなくなる。なぜなら、相互依存が増していくにつれて、我々が向上するのと同じように、他の人々も向上するからである。従って、すべての人が得られる方法を見つけ出し、お互いに思いやらねばならない。」


敵な考えですね。ここで相互依存とは、何から何まで1社がやるのではなくて、ある部分はある企業が、また別の部分は別の企業が、といった形で協力して成り立っているビジネスの形のことです。難しい言い方をすると、垂直統合ではなく水平分業だとか、バリューチェーンが細かくなることを言います。
そして、まさにインターネットはこれに適していると思うんです。インターネットではリアル社会より企業間の連携がしやすくなっています。例えば、よくあるECサイトを考えてみます。サイトの運営社以外に、商品データベースはAmazon、決済はクレジットカード会社、広告はGoogleといった形で複数の企業やサービスが連携しています。Webサービスの様なサービス間連携の標準的な方法もできてきています。


単に言うと『自分だけ儲かろうとするんじゃなくてみんなで豊かになろうよ』という考え方です。その方がお金もしあわせも増えるんですね。クリントンさんが言う様にビジネスが複雑に発展していくと、自然とそういう方向に向かうそうです。インターネットはこれがやりやすい世界だなんて、素敵ですね。ますます世の中は豊かになっていきます。