Googleは嘘発見機になれるか?

日はウェブの信頼性について考えてみます。

ここ数年でアフィリエイトが目に見えて増加し、バイラルマーケティングや口コミマーケティングインフルエンサー、SMO(Social Marketing Optimization)というマーケティング用語が頻繁に聞かれる様になりました。そして、企業が報酬を与えてブロガーに自社製品の記事を書いてもらう、あるいは好意的なコメントを寄せてもらうといった事例が増えて来ています。そのマッチングを行う会社まで出現してきています。



て、そうなると本当にそのブロガーがいい製品だと思って紹介記事やアフィリエイト紹介をしているのかが疑わしくなってきます。この問題についてジャーナリストの佐々木俊尚さんが考えられています。

ITmedia アンカーデスク:バイラルマーケティングには可視化とリスペクトが必要だ(下) (2/2)


"こうした企業の思惑に対し、ブログがあまりにも企業によってコントロールされてしまうことに対しては、ネットの世界からの強い拒否感がある。プレスブログはこの問題に、どのようにして取り組んでいるのだろうか。

 まず第1には、報酬金額の問題だ。たとえば報酬が数万円という金額になった場合、仮に「自由に書いてください」と企業の側が鷹揚に構えたとしても、そこにはさまざまな自主規制が働いてくる可能性がある。「こんなにもらったんだから、いいことを書いてあげなければ」という自主規制だ。したがって金額を高くすることは、決して良い結果は招かない。"

この例で取り上げられているプレスブログという会社は、できるだけユーザー主導で企業に都合の良い意図が入らない様な仕組みを検討されているそうです。



た、米国ではこういった問題に対して政府の介入も検討されているそうです。

TechCrunch Japanese アーカイブ » PayPerPost、正しいことをする


"PayPerPostは広告主が自社の商品について、金を払ってブロガーに記事を書いてもらうための仲介をするサービス(マーケットプレース)だが、月曜日に大幅な政策の変更を発表する予定だ。今やブロガーは記事内に「支払いを受けている」ことを公開することが義務づけられることになった。この変更は、ひとつには最近のFTC(米連邦取引委員会)の動きによるものだろう。FTCは口コミ広告に対し、商品を推薦するにあたって金銭的なインセンティブの有無を開示するよう義務付けることを検討しはじめた。"


のような仕組みがよいのか、これから業界全体で試行錯誤していくことになりますが、ひとつ気になるのは検索エンジンです。インターネットの入口標準となった検索エンジンでは、あるサイトの製品紹介の信頼性をどのように判断していけばいいのでしょうか。

従来のテキスト分析やリンク構造把握だけでそのサイトの信頼性を十分に評価するのは困難です。とても充実した見るに値する製品紹介記事があったとしても、そのブロガーが本当のことを言っているのか、実際に自分で製品を使った上でのオススメなのかはわかりません。有名サイトならばリンク数が多いので検索結果の上位に来るかもしれませんが、実際に製品紹介が適切なものだという証明には不十分でしょう。しかも製品紹介というのはその人の主観性も入ってしまうので、ますます適当な評価というのが難しくなります。こういった問題はどうすべきでしょうか。



とつヒントになると思うのが、SNSやブログ等の『人』に注目することです。ある製品紹介があったとして、その評価が適当であったかどうかを、製品を実際に試した第三者が評価するのです。オークションの人評価の様なものです。こういったものが積み重なっていくことで、あの人の評価は評判がいいとか、あの人の紹介はうさんくさいといったランキングができそうです。単にサイトをランキングするのではなく人の信頼性を見るということです。YahooJapanの井上社長が、SNS等の友達リストを使って友達の評価を検索結果に反映する、等の案を言われているのも似た様な考えでしょう。



れから将来の検索エンジンは、書かれている内容やそのリンク構造だけでなく、その作者の意図まで分析する嘘発見機的な機能が求められていくのかもしれません。