IT業界が政界から学ぶべき?

 日は雑誌『日経エレクトロニクス』からの紹介です。ご存知WiFi802.11a/b/g/等で知られるIEEE802部会が大きく揺れているそうです。

IEEE802の標準化を勝ち抜く術 - 日経エレクトロニクス - Tech-On!


" 「IEEE802は,もう崩壊する一歩手前だ」(ある国内の大学関係者),「このような異常事態が続くと,IEEE802なんて不要と思われても,仕方ないんじゃないかな」(ある国内研究機関の技術者)――。有線LANや無線LANの標準化団体である米IEEE802委員会において,標準化にまつわるトラブルが相次いでいます。"

その理由は企業によるパワーゲーム。IEEEITU等の企業を中心とした標準化団体と異なり、個人での参加が認められており、参加頻度の高い個人が一人一票を持つという原則になっています。これは企業の影響力を排除し、意思決定のスピードを高めるという点で効果があったと思いますが、最近ちょっと変なことになっているとか。



なんと、一人一票を逆手にとって個人を買収したり、大勢人を送り込んだりと、企業のパワーゲーム合戦が起こってしまったそうです。そして、標準化がまとまらず紛糾し、解散したプロジェクトもある様です。

あるいは、参加人数が増えて議論がまとまりづらくなったとか、標準化してもすぐに新技術が生まれてしまう等の、新たな問題も起こっているそうです。


の企業が良い悪いというよりは、大勢の意見をマネジメントするというのが如何に大変かということを表していると感じました。利害関係をもった人や組織が集まって議論すれば当然こうなるんでしょう。

IEEEが議論しているのはIT技術の最先端をいく内容ですが、失礼ながら政治という面ではまだまだ未熟な点が多いのではないかと思います。政治の世界はITの活用では遥かに遅れていますが、『大勢の意見をいかに調整するか』という点では圧倒的なノウハウを持っています。ここはひとつ政治の世界を参考に新たなマネジメントを考えていけないでしょうか。



ちなみにこの日経エレクトロニクス最新号には『Life is beautiful』の中島さんのインタビュー記事も掲載されています。ソフトウェア技術者が語るハードウェア論、おもしろいです。どうぞ。