バーチャルワールドの未来

々回のエントリ『リアルとバーチャルの交錯』にコメントを頂いたので、考えてみます。

webでは、「衆愚」であれ、「叡智」であれ人間の姿が試されるように思っています。戦争は人間の本能、戦争をせずに過ごせたことは、人類史上にない、という事が言われますが、web世界では、どうなるのでしょうか。
もちろん私は、とくにwebでは、オープンソースという現象?(結果)にもあるように、「叡智」の方へ希望を持っています。少し違うかもしれませんが、資本主義も、webの世界で真価が問われるように思います。


も『人間の姿が試される』という意見に同感です。ウェブでもリアルでもそうですけど、どういう世界にすることもできるので、どういう世界を人間がつくっていくか(どういう世界にしたいか)、ということに尽きると思っています。

具体的にSecondLife等のバーチャルワールドで何らかの争いごとがおきるかどうかはわかりませんが、起きて荒れてしまったら、そういう世界自体に魅力がなくなって誰も参加しなくなるかもしれません。常に選択権は自分達にあるので、いい世界ならば皆が参加するし、そうでなければ使われなくなっていくし、結局人間の心に応じた自然淘汰が起きていくのではないかと思っています。

そもそもを言えば、バーチャルワールドのアーキテクト(設計者)自身が、どういう世界設計にするか、という点も課題としてあると思います。悪事を働きにくい設計にすることもできるし、何でもありの世界にすることもできる。そこでひとつの選択があって、更にそれに対してユーザが使うかどうかというもう一つの選択がある。そういう選択があるので、やっぱり人の心に応じた結果になっていくと思います。

例えば子供向けのこんなバーチャルワールドもあるそうです。ひょっとしたらこういうかわいらしい世界が主流になっていくかもしれない。ひとつの選択肢だと思います。

ネットでポン


"アメリカの子供番組専門チャンネルNickelodeonが、子供が動画やゲームなどのマルチメディアを一緒に楽しめる仮想世界「Nicktropolis」をオープンしました。"http://rblog-media.japan.cnet.com/0039/2007/01/nickelodeonnick_8b5d.html


た、mixiに代表されるSNSもバーチャルワールドの一種だと思いますが、それぞれのSNSで雰囲気というか世界観があると思います。mixiは比較的穏やかで優しいコミュニケーションが当たり前になっていて、その『ぬるさ』が好きじゃない人もいると思いますが、好きな人も多い。そういう世界を創るという設計者側の考えが一つの選択で、その世界を利用するかどうかのユーザの決定も一つの選択になっている。選択があって強制や義務じゃないのが良いことだと思います。ただ、人々が何かを判断する際に、誤った情報によって変な方向に行ってしまうことがあると思います。これは良くない。だから、人の選択を間違えさせない様に、『誇大広告』とか『情報操作』というのは厳しく対処した方がいいと思います。



て、その結果どうなっていくかというと、おっしゃる通り『叡智』や『プラスの力』の方が勝ると思っています。例えば、戦争がまだなくなっていないのは事実ですが、地球全体人類全体の歴史をさかのぼって考えれば、『戦争はよくないことだ』という考えは確実にひろがっているわけで、人間は間違いなくいい方向に進んでいると思います。

充分な『選択権』と『情報源』さえあれば世の中は良い方向にむかっていくと思うので、不条理な『独占』『強制』あるいは誤った『広告』『洗脳』をなくしていけば、リアルもバーチャルもどんどん素敵な世界になっていくのではないかと思います。そういう意味で、インターネットというのは、誰が何をするにも参入障壁が低く提供するにも利用するにも選択肢が豊富で、かつ不条理なものが少ないので、良い世界にしていきやすいすばらしいものだと思っています。