ジョブズは一日にしてならず
『スティーブ・ジョブズ 神の交渉術』という本から、ジョブズヒストリーを紹介する。
今や、世界最高レベルのブランド力と誰もがうらやむマーケティング力を誇るアップル。その中心にいるスティーブ・ジョブズのプレゼンは今や世界トップレベルのプロモーションとなっている。
Windows Vistaとアップルコンピュータに関する調査 -アップルの巧みなブランド戦略とは?- - CNET Japan
今回の調査結果に見られる「iPodを持っていないが欲しいと思う」という人の割合の高さは、その戦略が今も効果的であることを示している。
それでは、アップルの広告はどのような効果を示しているのだろうか?
最近のWindows Vistaの広告と比べると、アップルの広告の方が好意的に受け入れられているようである。
ところが、このジョブズでさえも、若い頃から圧倒的な能力やセンスを発揮していた訳ではないというのだ。
広告の必要性を痛感し、ある広告代理店に仕事をお願いしたときはこう。
「設立間もないアップルは、わが社ほどの広告代理店が取り扱うような企業ではない」
あるベンチャーキャピタルに投資を依頼したときはこう。
「君はまだマーケティングというものを知らない。市場の大きさを理解していないし、考えが小さすぎる」と相手にせず、投資依頼を棚上げにした。
いずれも、今のアップルを考えると考えられない扱いだが、かつてはジョブズですらこうだった。今ジョブズにこんなことを言ったら、その人間の方が愚かと思われるだろう。ジョブズに『マーケティングというものを知らない』だなんて、ジョークの様だ。
しかし、これで終わらないのがジョブズ。その広告代理店の代表にしつこく電話をかけ結局仕事をしてもらい、ベンチャーキャピタリストには他の投資家を紹介してもらって出資を得ている。ともに成功するまであきらめないという根気の強さだ。こうして優れた先達と仕事をすることで経験を積み実力を磨いていったのだ。
スティーブ・ジョブズですら始めから天才的だったわけではない。けれど、あきらめないことで自分や会社を高めている。一番大切なものがここにある気がする。
スティーブ・ジョブズ 神の交渉術―独裁者、裏切り者、傍若無人…と言われ、なぜ全米最強CEOになれたのか
- 作者: 竹内一正
- 出版社/メーカー: 経済界
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