SaaSにインターネットはついてけるか?

SaaS(簡単に言うとオンラインアプリ)がここにきてますます話題になっています。

先週は、GoogleAppsワープロ表計算ソフト)が企業向けに正式提供され、Adobe Photoshopのオンライン版開発が発表されました。そのAdobeのCEOのコメントに気になる点がありました。

アドビ、「Photoshop」をウェブアプリ化へ--無償版として提供予定 - CNET Japan


"同氏は、「(ネットワークの)待ち時間がユーザーにとって問題になるようなことはしたくない。そのため、いろいろな意味でRemixビデオ製品よりも難しさがある。帯域幅は拡大しつつあるものの、そのなかは動画で一杯になりつつある。したがって、使用感は今後3〜5年は変わらない可能性が高い」と語っている。"


PtoPファイル交換サービスがインターネットの帯域のかなりの部分を占めていることはよく知られています。また、YouTubeを始めとしたオンライン動画サービスが著しく増加しています。これら動画サービスによって、他のサービスが充分な帯域を使えず、影響を受ける可能性があります。


通信キャリアとしては、ここぞとばかりNGNというQoS機能(帯域保証機能)を持つ次世代ネットワークを売り込みたいところでしょう。


全ての情報(パケット)を等しく扱うインターネットとTCP/IPは動画の渦についていけるのか? 動画用に最適化した別ネットワーク・別プロトコルを用いた方が良いのか?


オンラインアプリ・オンラインサービスが本当に普及するためには、コストだけでなく使用感・ユーザエクスペリエンスでデスクトップアプリケーションを上回る必要があります。そのためにはネットワーク上の遅延を極限まで少なくすることが求められます。


インターネットはその期待に答えられるのか? 個人的にはインターネットは何らかの進化を遂げて動画の増加にも対処すると思っていますが、ネットワークも含めたサービスの在り方が今後数年間さまざまな形で議論されそうで楽しみです。