Google vs オープンソース

Wikipediaの創設者として知られるWikiaのジミー・ウェールズが、検索エンジンについて語っています。以前から『検索はインターネットの基本的なインフラだが、今は自由、コミュニティー、説明責任、透明性を欠き、「壊れている」』と言っていました。

ITmedia News:Wikipedia創始者、GoogleとYahoo!に宣戦布告


Googleは超一流の科学者を抱えているから有利なんだという考え方は、今や少し時代遅れかもしれない」と同氏。

 インターネット大手の2社は、検索結果のランク付け方法を公開しない「ブラックボックス」だとウェールズ氏は言い、共同開発による検索技術ならインターネットの権力構造を変革できるかもしれないと語った。

 ウェールズ氏はかつて先物取引を手掛け、その後技術の自由な共有を説くエバンジェリストになった人物。Wikipediaユーザーが百科事典の雑多な記事に手を加えて書き直してきたように、ユーザーが力を合わせて検索エンジンを改良することは可能だと話している。

 継続的な改良プロセスにより、検索技術がスパムの影響を受けにくくなるとも同氏は言う。


OSの世界では、マイクロソフトWindowsの独占に対して、オープンソース(バザールモデル)によるLinuxというすばらしい成果が生まれました。果たして検索エンジンの世界ではどうなるのか。

大きく異なるのは、Windowsはほぼ独占的な状況であったのに対して、Googleは決して独占ではないことです。Yahoo、msnをはじめとして競合はいくらでもありますし、選択の自由はユーザに委ねられています。

また、当時のMicrosoft程、Googleは嫌われていないという点も大きいと思われます。優れたエンジニアの中にGoogleを倒そうと思っている人が少ない。むしろ賞賛の声が多い。『コンピュータサイエンティストの手にインターネットを取り戻した』と言われる程の同意を得ています。

さらに、あまりにも商業とダイレクトに結びついているので、利害関係者が多すぎる点も影響するかもしれません。検索ランキングが売り上げに大きな影響力を持っている中で、公正な開発ができるのか?


いずれにせよこういったトライがあるのは良いことだと思います。Googleは好きなので、Googleがこれに対してどう反応するかも楽しみです。