豊かになる法則

昨日のエントリに『一企業が儲かろうが衰退しようがあまり重要でない』と書きました。ちょっと刺激的なので解説します。

しあわせのくつ - vs YouTube よい判例に期待!


"大切なのは、YouTube等のサービスによって世の中の価値が増えたかどうか、ということ。世の中がよくなっているならば、古い法律がどうだろうと、一企業が儲かろうが衰退しようがあまり重要ではありません。

自由主義経済なのだから変化はつきもので、その過程で成長も縮小も当然あります。急激な変化に対応できない企業も一儲けする企業ももちろんあります。だからこそ、一企業うんぬんではなくて、世の中にとってこれはどういうことか、という観点で見て欲しいです。"


どうして重要ではないかというと、企業というのは特定の株主の資産だからです。普通は株主は複数いますが、いずれにせよ特定の人達の資産です。

そして、ある人達が得をしてある人達が損をしても、他の人にとって意味はありません。特定の人達の間でお金や価値が動いているだけです。世の中にとっては、あるサービスや価値を提供するのがA社であってもB社であっても関係ないわけです。肝心なのはその合計値が増えているかどうかです。

もちろん、株主や社員、あるいは取引先やお得意様といった利害関係者(ステイクホルダー)にとっては、その企業の盛衰は大問題です。誰だって自分の会社がつぶれたらやだし、成長して欲しいものです。これはこれで当然です。

ただ、世の中全体、その他大多数にとっては、どの企業が儲かろうが(サービスを提供しようが)同じこと、という意味です。


もっというと、一般的には、シェアが変わらないよりは、変わった方がいいです。なぜかというと、シェアが変動するということは、今までより何か価値が増えた、ということだからです。今より良い製品・サービスでない限り、消費者は乗り換えません。つまり、2位のB社が1位のA社からシェアを奪うということは、今まで一番だったものより更に良いものがでてきた、ということなのです。

これもA社の関係者にとっては困ったことですが、世の中全体にとってはいいことなんですね。


こんなとき、A社はどうすればいいんでしょうか? 簡単です。もっと良いものを提供すればいいんです。B社の製品・サービスを研究してもっと良いものをつくるんです。これが経済の基本です。

ここでB社が自分達の成功の秘密を隠したり他社の邪魔をすると、短期的にはB社の地位は安泰ですが、世の中にとっては良くないことです。そうすると不思議な力が働いていずれB社は衰退します。これが『貧乏臭いことをしていると貧乏になる』の法則です。

もっと太っ腹にコツを公開して他社が真似できる様にすると、その繰り返しによりどんどんサービスの質が上がって行くので、世の中が豊かになります。こういう戦略をとっていると同じ様に不思議な力が働いてB社はますます繁栄します。これが『太っ腹は金持になる』の法則です。これが競争ではなくて共創です。世の中が一番豊かになる素敵な法則です。


簡単なんですが、なかなかできません。でもやれば簡単です。少しずつでいいからいい方向に進めて行きたいものです。