Appleの本当の狙い

AppleとEMIが提携し、楽曲をDRMフリーで提供するそうです。いやはや時代が動くのは速い。そしていつもその場所には決まった人物がいる。Steve Jobs

EMI Group、iTunes StoreDRMフリーの楽曲を販売へ - CNET Japan


"EMIの最高経営責任者(CEO)Eric Nicoli氏は「われわれは、変化を受け入れ、消費者が本当に購入したいと思うプロダクトやサービスを開発することに力を入れている」と述べた。Nicoli氏によれば、社内でテストしたところ、高音質でDRMフリーの楽曲は、コピー防止機能付きで音質の劣る楽曲よりも10倍よく売れるとの結果が得られたという。"
http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000056025,20346281,00.htm


FairPlayというクローズドなDRMによってiTunesStoreで購入した楽曲はiPodでしか再生できないという縛りがあったため、これがAppleの成功モデルだともてはやされたことがあった。デバイスiPod)とソフトウェア(iTunes)とサービス(iTunes Store)を一体化させて垂直統合した新たな時代のビジネスモデルだと言われた。

今回、アップルは自らそのモデルを壊したことになる。iTunesで買った楽曲を携帯で聞くこともできるし、MicrosoftZuneSONYWalkmanで聞くことも可能になった。一番DRMで成功している企業が自らそのモデルを破壊する理由は何か?


ひとつは、ユーザのためを思えばこそ、という美しい考えだ。これも確かにあるだろう。

もうひとつ考えられるのは、サブスクリプション型の音楽配信サービスへの対抗ではないだろうか。月々定額で聞き放題というやつだ。これはその仕組み上、契約をやめると楽曲が聞けなくなる仕掛けになっている。そうしなければ1ヶ月だけ契約して全ての曲をダウンロードして逃げられてしまうからだ。だから、このモデルにはDRMが欠かせない。このモデルへの対抗があるのかもしれない。


また、いち早くDRMフリーを提唱し取り入れたことで、iTunesStoreで買った楽曲はどんなデバイスでも聞けるが、他のミュージックストアで購入したものは特定のデバイスでしか聞けないことになった。

もちろんiTunesStoreの売り上げは伸びるだろうし、iTunesStore=iTunesなので、iTunesと親和性の高いiPodの売上にも結果的にプラスの影響を与えるかもしれない。


てさてスティーブ・ジョブズはどこまで考えているのか? 今日から世界中のブログであーでもないこーでもないと語られるのが楽しみだ♪