Diggの話題は自然によるもの?

人気ソーシャルニュースサイトのDiggで、書き込みに対する規制が行われた件が話題になっています。DRMをクラックすることについての是非はさておき、この出来事は「サイトは誰のもの?」という興味深い疑問を投げかけています。

ITmedia News:Digg炎上でHD DVD業界に波紋


" 書き込みを削除するという当初のDigg.comの決定は、ライセンス管理団体のAACS LA(Advanced Access Content System License Administrator)が先週Digg.comに送った警告の書簡に刺激されてのものだった。

 AACS LAは、HD DVDを違法コピーから守るための暗号化技術をライセンスしている。Digg.comが書き込みを削除した行為は多くのユーザーの怒りを買い、怒ったユーザーは書き込みをサイトに復活させるキャンペーンを即座に立ち上げた。圧倒的な反対の前に同社は屈服し、反対したユーザーが勝利を収めた。"
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0705/07/news043.html

もちろんこのサイトは法律的にも、金銭的にも、管理者であるDigg.comのものですが、特にCGM系のサイトというのはユーザがあって初めて成り立つモデルのため、ユーザをないがしろにすることはできません。しかし、そうは言っても度を過ぎたら放っておけない・・という微妙な問題になっています。


れは個人のブログについても、似た様な問題があると思います。ブログは、トラックバックやコメントによって、他人のブログに記録を残すことができます。一部認証を必要とするサービスもありますが、基本的には、誰でも記述できるのが特徴です。

そして、中には管理者にとっては好ましくない情報が書かれることもあるので、それを嫌ってコメントやブログの制限をかける人もいます。これってどうなんでしょうか?


たしはこう考えています。『自分の意志の及ばないものが含まれていた方がいい』と。だから、コメントやトラックバックはフリーで削除もしない方針です。なんでもかんでも自分でコントロールした方が快適なのは確かですが、そればかりだとどうしても窮屈になってしまい、可能性が限定されてしまう気がします。敢えて「想定外」の要素を入れることを楽しんでいます。

コメントで紹介してもらった養老孟司さんの「かけがえのないもの」という本に、『都市は人の脳が創り出したもので、自然は人の意志が及んでいないもの』といった様なことが書いてあります。これはどちらか一方が良いのではなく、バランスが大切なのだと思います。

ちょっと違うかもしれませんが、ブログそのものは自分の脳が創り出した都市(人工物)で、コメントやトラックバックは自分の手の及ばない自然的なものではないか、という風に考え、そのバランスを大切にしてみたいと思います。細かく言えば、コメントやトラックバックも自分以外の人間が創り出した人工物ですが、自分から見れば不特定多数なので自然と同じものではないか、ということです。


かけがえのないもの

かけがえのないもの