管理職が『人を使う』のは間違い

 ネージャー(管理職)に必要なスキルとして、『人を使う』能力があります。でも、これって間違っていると思いませんか?

自分がやる代わりに誰かがやっただけではプラスマイナスゼロです。トータルでは意味がありません。あなたよりその命令された部下が優秀で仕事を上手くこなすならば、ちょっとは意味があります。

 でも、それは単なる適材適所であって、まだ不十分です。本当のマネージメントは、1を2にも3にも10にもすることです。これはどうやればできるでしょうか?


 番簡単なのは本人のやる気や能力を引き出すことです。本人が自分一人では発揮できないところの力を引き出してあげる。自分じゃ出せない自分の力というものがあります。これを引き出すのは良いマネージメントです。

 でも、もっと良いのは、シナジーを起こすことです。一人だけでは力を引き出すにも限度がありますが、二人三人のグループになると、その合計は2や3ではなく10にすることも可能です。この複数人によるシナジーをいかにうまく引き起こして通常2や3だった合計値を10にも20にもするのが、真のマネージャーです。それには、単なるプロジェクトの管理や指導だけではなく、チームの雰囲気を作ったり、悩み相談に乗ったり、本人の魅力等も必要になります。


 だから『人を使う』は間違いで、『人々を生かす』がマネジメントの極意と言えます。