Googleが通信事業者になろうとする理由

 Googleが米国で無線オークションに参加し、自ら通信事業者になろうとしていると言われている。これって何故だろうか?

 単純にビジネスチャンスや世直しということはもちろんだが、Googleの将来ビジョンとしてCEOのエリック・シュミットが語っている「The network is the computer.」にその理由があるのではないか。

 検索はもとよりGmail、GoogleMap、GoogleApps等のオンラインアプリケーションを次々と提供しSaaSを実現していくGoogleだが、ネットワーク経由で利用するサービスはデスクトップアプリケーションと比較するとレスポンスが遅く使い勝手に改善の余地が残ってしまう。どうしてもこの壁がある。

 デスクトップアプリケーションがCPUに命令をするのにかかる物理的距離とネットワークを介してサーバのプログラムを通してサーバのCPUに命令をするのにかかる距離が異なるので、どうしても時間に差がでるのは当たり前だ。

 それを無視できるくらいの小さな差にできればいいのだが、現状はまだだ。ここがGoogleのオンライン戦略の肝となる。その自社の肝を他者(通信事業者)に任せておくのはリスクが高い。ならばいっそのこと自分達でやってしまおうというのがGoogleの戦略ではないだろうか。


グーグルCEO、700MHz帯競売には「おそらく」入札すると発言:モバイルチャンネル - CNET Japan
http://japan.cnet.com/mobile/story/0,3800078151,20354938,00.htm

グーグル、700MHz帯競売参加へ--「オープン」プラットフォーム4提案が条件:モバイルチャンネル - CNET Japan
http://japan.cnet.com/mobile/story/0,3800078151,20353203,00.htm

Google、700MHz帯オークション入札意向を表明――「オープン化」を条件に - ITmedia News
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0707/21/news003.html

シリコンバレーからの手紙 「ビスタ」を無意味にするグーグル「二つ目の顔」


" この「The network is the computer.」とは、サン・マイクロシステムズが一九八二年創業時から標榜していた、じつに画期的なビジョンなのである。最近でこそ業績が低迷しているが、サンはコンピュータ・サイエンスの進歩の流れを産業に正しく反映させようと努力し続けてきた会社だ。シュミットは博士号を取ったあと一九八三年にサンに入社し、CTO(最高技術責任者)まで昇りつめ、その思想を体現した人なのである。"

http://www.shinchosha.co.jp/foresight/web_kikaku/u125.html