若者が3年でやめるのを防いでGoogle!

 「若者はなぜ3年で辞めるのか?」という本が少し前に流行っていた。大きな理由のひとつが「年功序列システムの崩壊」にあり、その原因は「そもそも全員が管理職になれるわけがない」という至極当たり前だが世界が見逃してきた従来型のピラミッド組織の弱点にある。


 考えてみれば当たり前だ。ピラミッド構造というのは上に行くほど、人数が少なくなっている。大企業ならば、社長はひとり、役員が数人、部門長が10人、本部長が数十人、部長が数百人、といった感じだ。当然、同期社員のみんなが仲良く出世していくことなどない。だんだん出世枠は狭くしていかなければいけないのだ。


 高度経済成長時代はそれでもよかった。経済全体が拡大していたので、業界も企業も拡大していた。だから、ピラミッドなんだけど、ピラミッド自体が大きくなっていたから、かつての平社員がみんな偉くなれた。枠が増えていた。でも、もう多くの業界ではそんな拡大はない。だんだん先細りする階段を同期と競争しながら登らなくてはならない。ごく一部の人が甘い汁を吸うのを、大勢が支えなきゃいけない構造になっている。その多くは若者だ。


 もう既に階段を登って偉くなったおじさん達はいいよ。彼らはピラミッド構造の問題に気づいたけれども、改善しなくたって自分はもう上がっちゃったから関係ないんだもの。でも、若者はどうだろう? こんなおかしなシステムで、階段の上にいる既得権益さん達に一生懸命いい思いをさせなきゃいけないんだ。やってやれない。賢ければ賢いほど、悩んじゃうよ。


 っといい組織構造はないんだろうか? Googleは管理職なって置かず、数人のチームがフラットにダイナミックに活動していると聞く。Googleよ、もっとあなたの組織を教えてくれ。僕らに教えてくれ。もっと世界を教育してくれ。



若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)