ビジネスのジレンマとマッシュアップ

今日はビジネスのジレンマについて。

ある、うまく回転するビジネスあるとします。
そのビジネスが発展していくと、始めは市場規模が拡大していきます。
そして、次第に飽和していきます。よく言われる普及曲線のS字カーブ(解説)というやつです。
ここで、市場の拡大とともに、規模の経済や効率化にによってコストが下がって行くため、提供価格も下げるのが一般的です。

で、提供価格が下がると、当然売上高も減ります。
下がったコスト以上に提供価格を下げなければ利益が下がることはありませんが、売上高は減ります。
安くなったということで、それ以上に規模が拡大していけば、もちろん利益は増えるんですが、上記の通り、規模は必ず飽和します。
つまり、いずれ売上高は減ってしまいます。

これっておかしくないですか?

無駄を省く懸命な努力や効率化によって、コストを下げているにも関わらず、その結果市場が小さくなってしまうと。
高いまま売り続けるなんて簡単なんです。お客様のために安くする努力をして、その結果、市場が縮小してしまう。
これってどうしてなんでしょうか?


「限界効用逓減の法則」(Wikipedia解説)というものがあります。
簡単に言うと、どんなものでも飽きちゃうから次第に相対価値は下がっていく、という様な意味です。
これが原因なんでしょうか。 どうもすっきりしません。

お客様のためになることをしたら、むしろ見返りがあってしかるべきな気がします。
どうしてコストを下げるという良いことをしているにも関わらず、売上高が減ってしまうんでしょうか。

競争がなければ、高いままにしておけばいいのですが、競争があればコスト削減競争が必ずおきます。
ということは、競争すればするほど、市場規模が小さくなってしまうのです。
これっておかしいですよね。
競争によってサービスの質が高まり、価格が下がる。それなのに、市場規模は小さくなってしまう。
これってどうしてなんでしょうか。


製品やサービスは単に提供価格を下げる努力だけでは、必ず飽きられてしまうということでしょうか。
新たな価値や機能を追加したり、別の製品・サービス・市場にシフトしないと企業は小さくなってしまうということでしょうか。

そうだとすると、Webサービス等を利用したマッシュアップというのは、変化する力(新たな価値)を外部に求めるという、とても強力な生存方法だという気がしてなりません。
自ら変化する、新しい価値を創るのは、なかなか大変なものです。
それを競争ではなく共創によって行う。そう考えると、マッシュアップというのは、単なる気前の良いサービスではなくて、サービスや企業が発展していくためのとても効果的な方法なのではないかと思うのです。



※「共創」とは、銀座まるかんの創業者で日本一のお金持ちとして有名な斎藤一人さんの言葉です。
とても素敵な本を多数書かれていますので、よかったらどうぞ。(斎藤一人 変な人が書いた驚くほどツイてる話 (知的生きかた文庫)