アフィリエイトとAdsenseとどっちがお得?


今日はGoogleAdsenseについて。

ちょうどGoogleのGbuyについて考えようと思っていたところ、『Life is beautiful』で中島さんが『Amazon AffiliateがGoogle AdSenseに勝てる理由』の中で次の様に言われていたので、そこから考えていきます。

Google AdSenseの広告主はお金を払いすぎているとしか思えない状況」なのである。

 Amazon Affiliateに関して言えば、広告主はAmazon自身である。そのため、紹介料もページビューやクリック数などといったあいまいなものではなく、売り上げの結果の何パーセント、というものすごくはっきりとした数字である。そのため、Amazonには明確な広告効果が見えているし、紹介料も十分な利益を上げた上でアフィリエイターに支払うことができる。このビジネスモデルの美しいところは、アフィリエイターとAmazonの利害が100%一致していること、つまり、はっきりとした「win-win」の構図が出来ている点である。

 それに対して、Google AdSenseの場合はGoogle自身が広告主ではなく、その先に本当の広告主がいる。その上、AdSenseを貼っている人に対しての分配金は、ページビューやクリック数などに比例して払われるだけで、その結果実際に売り上げに結びついたかどうかは誰も責任を取らない。それに加えて、AdSenseの料金はオークションで決まるため、ROIを正確に測るすべを持たない広告主たちが「とにかくサイトにトラフィックを集める」ためだけに競争すると、必要以上に広告費が高くなってしまう仕組みになっているのだ。

この記事のTrackbackを読ませてもらうと、AmazonアフィリエイトGoogle Adsenseのどちらがブロガーにとって儲かりやすいかは、色々な条件によって異なるようですけれど、上記の中島さんの考察はいずれにせよ的を得ていると思います。
特にポイントは、『その結果実際に売り上げに結びついたかどうかは誰も責任を取らない。』という点だと思います。

以前、エントリ『インターネットビジネスで儲かるもの』で書いた様に、『BtoBtoCビジネス』というのは、『真ん中のB企業がC相手に行うビジネスがうまくいくかどうかに関係なく利益をあげられることだ。』だと思うからです。まさにこの例ではないかと思いました。


ここで、BtoBtoCの左のBはブロガーにあたり、真ん中のBはAmazonないしGoogleです。
つまりわかりやすく書くと、Amazonアフィリエイトは『Blogger to Amazon to Consumer』で、Google Adsenseは『Blogger to Google to Advertiser to Consumer』なんです。

※もちろんブロガーは企業体ではなく個人がほとんどだけれど、ビジネス活動をしているという意味で企業体(Business)と扱います


こういった『BtoBtoBtoBto・・・C』というビジネスモデルの中で、『to』の部分が取引条件やビジネスモデルになるわけですが、ここを『成果報酬』にしているがAmazonで、『クリック保証』にしているのがGoogleになります。
当然、成果報酬の方が、はっきりとした効果があって初めて支払われるものなので、よりリーズナブルである気がします。
只、Google Adsenseがダメかというとそんなことはもちろんなくて、従来の広告より遥かにリーズナブルなのは良く知られた所ですし、自動的にコンテンツにあったものが挿入されるというメリットがあります。そして、不正クリックに対する対処もどんどん進んで来ていると言われています。

では何が違うのかというと、端的に言ってしまえばビジネスモデルである『to』が違うわけで、アフィリエイトは販売協力なのに対してAdsenseはあくまで広告、ということだと思います。
リアル世界でもそうですが、代理店等の販売協力者は成果報酬型なのに対して、広告というのは効果測定に応じて報酬が支払われる訳ではないのです。


それでも何となくアフィリエイトの方がまっとうで、サービス業者は損をしない気がします。 笑
それに対する答えとして、実は見落としている点がひとつあって、アフィリエイトサービスにはアフィリエイトプラットフォームの利用料がかかるということだと思うんです。
Amazonは自分でアフィリエイトPFを持っていますが、大半のサービス業者さんは持っていないので、LinkShare等のアフィリエイトPFを利用することになります。
つまり、サービス業者さんは、アフィリエイト代をユーザに払うだけじゃなくて、アフィリエイトPF業者に手数料を支払っています。
これを考慮すると、確かにアフィリエイトの方がリーズナブルに見えるけれど、実際はGoogleAdsenseより取られるマージンが大きくて、Adsenseの非効率性を考慮してもトントン程度なのではないかと思うのです。

結局、サービス業者(広告主)は、どちらが得か試行錯誤しながら勘案している訳ですし、GoogleAdsenseはオークションというリーズナブルな料金設定方法を取っているので、効果がないということが明らかになれば自然としかるべき料金に落ち着く仕組みがあると思うんです。


なので、『広告主にとって効率性の差はない。もしくは、あったとしてもいずれしかるべき水準に落ち着くのでは』というのが僕の考えです。


そして、最後になってしまいましたが、Googleはこの効率性の部分を改善するために、Gbuyと噂されている課金システムを導入しようとしているのではないでしょうか。
つまり、広告がクリックされた後に購買につながったかどうかまでGoogleがチェックして広告費に反映させる、という意味です。

等と考えていたら、ちょうどCNETさんにGoogleのCEOのエリック・シュミット氏の発言がありました。

 「われわれが取り組んでいる支払いサービスは、Googleの既存のオンライン製品や広告プログラムから自然に発展したものだ。われわれのサービスは現在、数百万もの消費者と広告主とを結び付けている」とSchmidtは述べたとReutersは報じている。

別のCNETの記事では、こうあります。

その1

信頼回復のためにGoogleが最も避けたいことは、AdSenseで失敗することだ。そう考えれば正規購入をトラッキングできるようにする動きにも説明がつく。AdSense自体に支払い機能を直接統合するより効果的な方法がほかにあるだろうか(Ars Technica)


その2

 RBC Capital MarketsのアナリストJordan Rohan氏は6月9日に発表したリサーチメモで、Gbuyが6月28日にスタートすると述べている。Googleは支払システムを利用して、ユーザーがどの有料検索をクリックし、実際の購買に結びついたかなどの情報を取得することが可能になる。この情報があれば、Googleは、広告主に投資利益率(ROI)の最も高いカテゴリーを提案できるようになると、Rohan氏は指摘していた。


よりリーズナブルな仕組みにする改善が着々と進んでいる様です。


ザ・サーチ グーグルが世界を変えた

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(↑このテーマでアフィリエイトを入れるのも何ですが(笑)、当初AdsenseAdwords程に機能しなかったのでAdwordsAdsenseの枠が一緒だったのを別にしたという話が書かれています。)