SNSはウェブを超えるか?


SNSの注目が日増しに高まって来ています。
mixiトラヒックはますます増加して300万人を超えていますし、海外ではMySpaceの新規登録ユーザが1日に25万人増える等、とてつもない伸びを示しています。

引用元:CNET Japan

 MySpaceの広報担当Dani Dudeck氏によると、サービス提供が始まった2004年以降、同サイトの利用者数は6700万人にまで達し、現在では1日平均25万人のペースで新規メンバーが増加しているという。この驚異的な成長のおかげで、同サイトの人気はYahooなどの有名サイトにも比肩するところまで上昇した。

梅田望夫さん(id:umedamochio)も先日の東洋経済の記事で『Web2.0の旗手は実績的にはmixiが一番』と言われていたりしますし、先端層の中では『mixiはYahooを超えるか?』とか『検索エンジンの次はSNSか?』と議論されたりしています。

※条件付きで一番と言われているので、正確にはこちらの元記事をご覧下さい。


しかし、僕はSNS検索エンジンを超えたり、ウェブ=SNSになったりはしないと思っています。
なぜならば、SNSはウェブに必要不可欠な肝心なものを取り込めないからです。
それは、企業です。
SNSは個人がウェブ上にバーチャルな自分を投影し、個人の趣味や属性だけでなく他人とのつながりも表現することで、ネットワークの広がりを活用するサービスです。人を投影したものなんです。ここがポイントです。

人はSNSのノードになることができますが、企業はなることができないんです。
なぜならば、企業は他の企業や人とのつながりを開示したくないからです。
A社はB社とこういうつながりがあるとか、A社の社員にはCさんがいて、CさんはD社の製品を気に入っているとか、こういう情報が流れたら困るからです。
だから、企業はSNSのネットワークには入ってきません。

そして、世の中の構成要素として、もちろん個人は重要ですけど、企業も重要なので、SNSが世の中の全てを投影してカバーすることはできないと思います。
一方、ウェブは人も企業も包含します。SNSも企業のHPもサービスも包含します。
だから、SNS=ウェブには決してならないと思います。


もうひとつ理由があります。それは、人間関係において最も興味深くて話題の中心になることを、SNSは取り込むのが非常に困難だからです。
それは、お金と恋愛です。
自分がどんなビジネスをしていくら稼いでいるとか、自分と誰がデキているとか、そんな情報を公開したい人はいないので、
ここでもSNSがカバーできないものがでてきます。
そして、これって一番おもしろい所でもあるんですよね。
いつの時代でもそうですけど、この2つはおもしろいんです。まさにキラーコンテンツなんですが、逆にオープンにできない。
そういうこともあって、SNSにはやっぱり限界があると思うんです。


だからSNSは大したことない、という意味ではもちろんありません。
オープンにできる範囲で人と人間関係をウェブに投影することで、こんなにもおもしろいサービスができるのかと、感心し、使わせてもらっています。
ただ、限界はあるだろう、と思います。
そして、その限界の壁である『企業(Business)』『お金(Money)』『恋愛(Love)』の3つにビジネスチャンスがありそうだな、と思っています。
どうでしょうか?