ワールドカップとYouTubeでわかったこと
今日はワールドカップとコンテンツ配信ビジネスについてです。
今回のドイツワールドカップでは、ワールドカップ史上初めて、大々的にインターネットによる動画配信が行われました。
FIFAの公式サイトを運営するYahooはもちろん、様々なポータルやISPでゴールシーン等のダイジェストが配信されています。
ここで、あらゆるコンテンツの中で最高額とも言われるワールドカップがインターネットで配信されたという意味はとても大きいと思います。
従来は『インターネットは危険だから』という理由で、コンテンツの提供はなかなか行われてきませんでした。一部民放が地上波コンテンツの配信実験を行ったこともありましたが結果は芳しくなく、『インターネット配信を望む声を抑えるためにわざと失敗させた』と言われた程です。
これらは不正なコピーによる著作権侵害を懸念してのことでしたが、実際は著作権者のことを心配したのではなく、メディア等の著作隣接権者の利益を守るためだという声もありました。
そんな中、ワールドカップが配信され、予想通りYouTubeやGoogleVIdeo等のCGM系動画共有サイトにも多数アップされました。
従来ならば、あってはならない現象が起こりまくっているわけですが、これによって誰かが被害を受けたという声をトンと聞きません。誰かが誰かを訴えるとか、けしからんという声もありません。むしろ、簡単にワールドカップというコンテンツを楽しむことができるので、世界中の人間に歓迎されていることは明らかです。
これはある程度予想されていたことでしたが、こうして明らかになってみると、いくつかの仮説が現実味を帯びてきました。
- YouTube等の劣化コピーは、本物の価値を下げるわけではなく、住み分ける
- インターネットでダイジェストが見れるからといって、生放送の視聴率やスポーツニュース番組の価値が下がる訳ではない
- コンテンツがaccessibleになっても、コンテンツの価値は下がらない
等です。
もう少し簡単に言うと、『インターネット動画配信とTV放送は住み分ける』ということです。
インターネットで動画が見れる様になったからといって、クオリティやリアルタイム性、編集力等ではTVにどうしてもかないません。一方、いつでも見れる、簡単に見れる、等のネットならではの簡便性ももちろんあります。
ちゃんと住み分けられるんです。
YouTube関連のエントリで書いた様に、YouTubeは新たなビジネスモデルを考えるためのチャンスです。
あらゆる関係者がハッピーになるモデルが必ずあります。
このワールドカップ配信からもヒントを得て、ハッピーモデルを探していきましょう。