Google Checkoutができた理由

wanwangorogoro2006-07-02




今日はGoogleがついに始めた課金代行サービスのGoogle Checkoutについてです。

単純に課金代行や購入管理をするだけでなく、GoogleBaseと連携することで、個人が気軽にショッピングサイトやオークションを行える仕組みを提供する様になると言われています。もちろんAdwordsの促進にもつながります。



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こういった予測は、上記の記事に書かれているので、ここでは違った観点から考えてみたいと思います。
それは、インフラ/プラットフォームサービスについてです。

インフラとは、社会を支える基盤のことで、インターネットの世界では通信事業者やISPが該当します。
プラットフォームも同じく基盤のことですが、もう少し上位レイヤーの話で、インターネットでは、検索エンジンサービスや広告ネットワークサービス、課金サービス等が該当します。

Googleはプラットフォーム会社だと自らを認識しており、これらを提供し始めているわけですが、それって何故でしょうか?


インフラ/プラットフォームサービスの特徴は、


・技術的、資本的条件が厳しく参入しづらい
→ユーザが利用をやめたり、利用先を変更しない傾向が強いので、先行者利益が大きい
→寡占しやすい


等です。

要するに、『一度広まれば、よほどの革新が起きない限りおいしいビジネス』だと言えます。
只、この課金分野は必ずしもGoogle先行者ではありません。Googleの技術力は圧倒的ですが、課金に限っては同様のことをできる企業はいくらでもあります。
では、どんな革新によってGoogleはこのプラットフォームサービスに参入が可能になったのでしょうか?


それは、非常に簡単な論理で『ウェブで買い物する時も、まず検索エンジンで探す』という習慣が根付いてきているからです。
ユーザがYahooショッピングや楽天のサイトをブックマークしておいて、それらのサイト内で商品を検索する場合、Googleの出る幕はありません。しかし、ユーザは同じものならばできるだけいい条件(製品価格、送料、時間、ポイント、手間等)で買いたいので、比較を行います。ユーザは、『ショッピングサイトは多数あり、自分の知らないサイトでもっと安く売っているかもしれない』という意識を持っているので、まず検索を行うのです。
ここで、Googleの出番がやってきます。
検索結果やAdwordsに表示されるサイトがGoogle Checkoutに対応していれば、簡単に購入ができるという訳です。

要するに、Google Checkoutは消費行動モデルAISASで言う所の、Attention-Interest-Search-Action-Shareの『Search-Action』のつながりを便利にしてあげましょう、というサービスです。
従来の消費行動モデルはAIDMA(Attention-Interest-Demand-Memory-Acition)であり、Search(検索)は関係なかったのですが、サイト間をまたがって探す、或は、選択する、という行為が当たり前になってきたため、こういった変化が起きたわけです。


『はじめに検索ありき』というユーザの行動変化を利用したGoogleCheckout。
『よほどの革新』が起きない限り、しばらく成功を収めそうな予感がします。