SNSと検索の微妙な関係

今日はSNSと検索の関係についてです。
きっかけは、CNET Japan『忘れられた「Orkut」--グーグルがSNSを避ける意味』です。

世界最大のSNSMySpace』やMicrosoftMSN Spaces』、Yahoo『Yahoo 360』と比較して、Googleの手がけるOrkutが遅れているのではないかという記事です。

その理由について、例えばこうあります。


CNET Japan『忘れられた「Orkut」--グーグルがSNSを避ける意味』


もちろん、「Googleは抜け目がないから、年間売上げ60億ドルにも上る同社の検索および広告ビジネスにとって利点があるのかどうかはっきりしないサービスに大規模な投資をしないだけだ」とするGoogle擁護者もいる。同じ擁護派のなかには、「Googleはウェブ検索の効率と広告ワンクリックあたりの利益率を向上できるテクノロジにしか投資するつもりがない」からだと考えたほうが自然だとする意見もある。
(中略)
 一方、新興ベンチャーキャピタルRidgelift VenturesのRobert Goldberg氏は、Googleソーシャルネットワーキングに注目するようになるという考えには否定的で、広告関連のテクノロジやサービス(たとえば同社が先頃開始した決済サービス「Google Checkout」など)に特化していくだろうと予測している。

確かにこういう理由もあると思うんですよね。
ただ、私が思う別の理由は、Googleのコア事業である『検索』とSNSの関係が微妙だからではないかと思うんです。

どういうことかというと、Orkutを含む多くのSNSは招待性のログインサービスなので、Google等の検索エンジンが検索対象にすることができません。それが微妙なのではないかな、と思います。

日本もmixiが500万人を突破しましたし、世界的にSNSは急拡大を続けていますけど、これはウェブの中にもうひとつのクローズドなウェブができつつある様なもので、情報を予めクローリングしてインデックスする必要のあるロボット型検索サービスのGoogle等にとっては、ちょっと扱いづらい相手だと思うんです。

ウェブの中に、非検索対象、アンリーチャブルな部分が生まれて大きくなってきているわけです。
これは、『to organize the world's information and make it universally accessible and useful.(世界中の情報を体系化し、アクセス可能で有益なものにすること)』をミッションにしているGoogleにとって微妙なんじゃないかと。

従来の検索エンジンというのは、インターネットのオープン性を前提としているので、ちょっと相性が難しいわけです。
かといって無視できるほど小さな事象ではなくて、動画配信や画像共有やIMも含んだ形でSNSはますます発展していきそうな感じです。

こちらのCNETの記事に、こういうコメントもあります。


CNET Japan『忘れられた「Orkut」--グーグルがSNSを避ける意味』


Arnold氏によると、ソーシャルネットワーキングソフトウェアは、最終的に、MSNが検索でも勝つための近道になるという。ソーシャルネットワーキングによって、ウェブを巡回して、より適切な検索結果を生成するための目印が得られるからだ。

おそらく、検索エンジンの将来像と言われているパーソナライズドサーチ(個々人の嗜好にマッチした結果を返す検索機能のこと)にSNSの個人情報を役立てることができる、という意味だと思います。こんな可能性を考えると、GoogleSNSを重視していないどころか、逆に、ものすごく真剣にSNSの扱いか方を考えているんじゃないかなぁ、と思う今日このごろです。



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