YouTube時代のサッカー選手

ここしばらくネットの変化の中心にいるYouTubeについて。


このYouTubeCGM系のはずだったが、実際は誰かがTV番組等を録画して、違法だがアップロードしたものが多い。
コンテンツの時間を10分までと制限することで、一応非難を逃れていて、逆にその巨大なトラヒック目当て(1億view/day)に、マーケティングの一種としてメディアに利用される動きも出て来ている。


このYouTubeの人気コンテンツを見てみると、ワールドカップが近いこともあって、ロナウジーニョジダン等の超絶プレーをまとめたものが非常に多い。
そこで思ったのだが、こんなに簡単に世界のスター達のプレーを見ることができる様になると、それを見て育つ子供達はどんなサッカープレーヤーになるんだろう?


僕らが子供の頃は『キャプテン翼』が大流行りでお手本であり、ワールドカップマラドーナについては何となく知っていたけれど、映像を見る機会なんてほとんどなかった。
Jリーグがスタートすると、日本のサッカー選手やJリーグレベルの外国人選手のプレーに目を奪われ、フジテレビの『セリエAダイジェスト』で世界のプレーを初めて見ることができる様になった。
そして、NHKやスカパーによる欧州サッカーの放送により、やっと世界のサッカーが身近になった。
だいたいこんな感じだ。


でも、今の子供達はもっとすごい。 パソコンに向かってYouTubeのサイトで、『Ronaldinho(ロナウジーニョ)』とか『Maradona(マラドーナ)』と打ち込むだけで、精選されたプレー集を見ることができる。
しかも、それは世界中から集められたものだ。
日本のTV局のアーカイブ映像を見れるだけでもすごいが、世界のそれを見ることができる。
ブラジルのTV局しか持っていない貴重な映像だったり、スペインでも珍しいプレー集等だ。
こういったものを小さい頃に目にすると、間違いなくプレーの真似をする様になる。
そして、小さい頃に、こうしたスーパープレーを真似していると、テクニックの常識レベルが著しくあがるものだ。
今の子供の方が運動能力が高いとか、生まれもってセンスがあるとかではないのだけれど、幼い頃から見聞きしているもののレベルによって、常識レベルが全然変わってくる。


これが、10年、15年後のサッカー界に間違いなく影響を与える。
将来の子供達は、世界中のサッカーの歴史から選りすぐられたプレーを見て育つ。
何度も何度も繰り返し見て育つ。 友達と技を教え合うことができる。
日本は幸いなことにブロードバンド大国だ。 世界よりその点では進んでいる。
日本の子供達はきっと10年後に、世界のサッカー選手よりスーパーな技を見せてくれるだろう。
梅田さんが(id:umedamochio)『ウェブ進化論』で言っている、『学習の高速道路』効果がこんな分野にも現れている。


お父さん、お母さん、子供にYouTubeのスーパープレー集を見せよう。
ひとつ見せれば、後は勝手に子供がのめり込む。
とんでもない教育環境が現れたものだ。
YouTube時代のスーパープレーヤを育てよう。


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